実践ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングを中心に資産運用全般について。分散投資でリスクを抑えながら、インカムゲインとキャピタルゲインを目指します。

クラウドバンク

クラウドバンクの投資ファンドが100に到達

クラウドバンクには元本300万円を投入し現状320万円強で運用を行っていますが、この9月末で運用中のファンドが100に到達しました。

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今年5月の記事(クラウドバンクでの分散投資)をみると同規模の投資資金で運用中ファンド数が39だったので、過去5ヶ月で大幅に分散が進んだことになります。

ソーシャルレンディングへの投資を始めたことろは、「どうリスクをとるか」について手探りで「運営会社あたり200万円を上限、1ファンドあたりは50万円を上限」というルールを設けていました。クラウドバンクについても、当初4ファンドに50万円ずつ投資して200万円、その後枠を100万円引き上げて50万円✕6ファンドで合計300万円を投資していました。

その後、ソーシャルレンディングのベースとなる匿名組合の仕組みや不動産関連の市況について調べる中で投資先ファンドの分散について必要性を痛感するようになり、その後レンディングクラブの仕組みに触れることでより一層投資先ファンドの分散を徹底することを意識するようになりました。

こうした変化に伴い、当初50万円だったファンドあたりの上限は10万円まで引き下げ、かつできるだけファンドあたりの投資額を1万円ないし2万円にすることにしています。最終的には1万円✕300ファンドで300万円を運用するところまで持っていければと考えています。

例えば投資口座にをキャッシュがあって、6%、5.8%、5.6%の3つのファンドが投資可能な状況になっている場合、以前であればルール上の上限まで6%に投資するというスタイルでしたが、今はそれぞれに1万円ないし2万円投資して例え口座にキャッシュが残っていても次のファンドまで待機させるようになりました。このため、投資効率は落ちることになりますが、分散による安全性を確保するためにはやむを得ないと思っています。

それでも現状概ね5%程度の利回りで回っていますのでまずまず満足しています。
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もっとも、投資先のファンドが複数になっていても実際の貸出先はある程度共通になっている可能性は高いと思いますので、完全な分散というわけにはいかないと思います。(参照:ソーシャルレンディング投資のリスク管理は難しい(1)ーリスク分散の難しさー

それでもある決まった金額を投資する場合、ファンド数が少ないよりも多ければ多いほど貸出先がバラける確率が高くなるのは間違いないと思います。貸出先がよっぽど少なければ分散してもあまり意味はなくなってしまいますが。

これからソーシャルレンディング投資を始めようと検討している方には、まとまった金額を少数のファンドに投資するよりもできるだけ少額ずつをできるだけ多くのファンドに投資するようにすることをオススメします。投資資金が10万円でも、1万円から投資できれば10ファンドに投資できます。

あるいはクラウドクレジットのようにファンド自体で貸出先の分散効果が抜群に高いものが良いと思います。ちょっと古いデータですが、私のお気に入りのペルーファンドだと投資元本5万円でも16000件に分散投資されます。( 再考:クラウドクレジットのペルー・小口債務者支援プロジェクト(3))5万円だと1件あたりの投資資金は3円強になる計算です。例えば当初見込みよりも年間100件多く回収不能になっても300円の損失ですね。他方、当初見込み分で年間5000円の配当なのでリスク分散の効果を感じやすいファンドです。ペルーファンド自体の分散効果が高いため、私もファンドあたり上限10万円のルールを度外視して累計で200万円ほど投資しています。こういうファンドがもっと増えてほしいものです。個人的にはハイイールド債連動ETFのHYGやJNKと同じくらい評価しています(もちろん課題もありますが)。比較してみるのも面白いかもしれないので時間出来たら記事にしてみようかな。

 

クラウドバンク 第二期有価証券報告書+株主通信(2)増資と株主構成

続いて、財務安定面の状況についてです。
有価証券報告書記載の財務諸表で見ると、赤字決算の影響を受け株主資本が前年度末の488,267千円から
369,901千円へと毀損してます。個人的にはまだ心配するほどの金額に落ち込んでいるとは思いませんが、株主通信によると、第二期有価証券報告書の対象期間直後である2016年4月に1億円の増資が行われており、前年度末の株主資本と同等のレベルに回復させています。増資にあたっては新株予約権(ストックオプション)を行使する形式で行われたようなのですが、ストックオプションにこういう利用用途があるとは知りませんでした。

4月に増資があったため、現在のクラウドバンクの株主構成は有価証券報告書に記載されている3月末時点のものから変更になっていますが、まずは有価証券報告書に記載されている株主情報を転載します。
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続いて、株主通信に記載がある増資後の上位株主について転載します。 

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有価証券報告書からの変更でみると、前述の増資を引き受けた結果、代表取締役である金田氏が所有するAaron Asset Management株式会社の持ち株比率が42.47%と増えている点が目を引きます。もっとも未だ過半数に達していない状況なので、これを経営面の不安定要因とみるか、独走抑止効果があるとみるかは意見が別れるところかと思います。

他に八木圭介氏と藤原彰人氏が増資を引き受けているようですが、いずれもクラウドバンクの持株会社化以前からの株主だと思われます。

今回全く新たに名前が出てきたのが佐護勝紀氏です。あまり見かけない苗字なので、ほぼ間違いなく元ゴールドマン・サックス日本法人副社長現在ゆうちょ銀行の運用責任者の方と同一人物だと思われます。この方が株主に加わったのであれば、経営的にプラスになるコネクションが付加されることが期待できるかもしれません。年齢的に金田社長と同じくらい、両者とも東大卒の経歴なのでそのあたりのつながりでしょうか。ちなみに今はなき長者番付によると2005年の納税額74位で宇多田ヒカルや孫正義よりも多いという御仁です。

前年度の赤字決算に対して、これまで確認できている状況からは、業績回復見込み及び財務的な安定性についてはある程度の評価はできそうです。今年度、新しい経営体制のもとで着実な成長が達成できるかどうかといった点に注目したいと思います。


クラウドバンク 第二期有価証券報告書+株主通信(1)業績回復の見込み

クラウドバンクの第二期(2015年4月ー2016年3月)有価証券報告書がEDINETで公開されています(リンクはこちら)。提出日は6月30日で、代表者の氏名が「代表取締役社長 金田創」、連絡先の氏名が「取締役 橋村純」となっており、大前前社長退任後の提出扱いです。

今回のポイントは、既にお伝えした取締役の変更(参照「クラウドバンクの大前社長が退任へ」)と業務停止の財務面での影響の確認だと思います。
第二期の連結決算については、日本クラウド証券の行政処分に伴う業務停止および対策コスト増加等により116,820千円の純損失赤字決算となっています。この赤字決算が大前前社長の引責退任へとつながっており、経営者の責任の所在についてはすでにクリアになっています。

業務停止命令を受けていたので赤字決算自体はある程度想像できていましたが、今後業績回復の見込みはあるのか、また、財務安定面で問題はないのか、といったところが気になります。これらの情報について有価証券報告書だけでなく株主通信の情報を併せて見てみたいと思います。

まず、業務停止後の回復についてですが、こちらはなんといってもファンドの募集金額の推移が重要となります。この点について、株主通信に業務停止期間を挟んだ累計応募金額の推移が掲載されていました。
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こちらで確認すると、業務停止期間前1年間の平均が2.6億円の応募だったのに対して、2015年11月の業務再開後から2016年3月までは月平均3.9億円の資金を集めています。この数字を見る限り、ファンド募集面における業務停止の影響は思ったよりも軽微です。一方成長率は9%増とそれ以前の21%増からくらべると鈍化しており、まったく影響がなかったとまでは言えません。ただし成長率は毎月の応募金額自体が大きくなるに連れて鈍化するのはある程度避けれませんので、影響の度合いは判断が難しいです。

ソーシャルレンディング企業の業績を考える上で重要なのは単純な「募集累計金額」というよりも「運用金額」になります。ソーシャルレンディングの場合、運用ファンドの2%−5%程度を手数料として徴収されており、これがソーシャルレンディング企業の収入の中心となりますので毎月の「運用中ファンドの金額」というのは毎月の手数料収入に直結します。

このため、同じ「募集累計10億円」であっても「運用期間3ヶ月のファンド10億円」の場合と「運用期間1年のファンド10億円」の場合では、得られる手数料収入の合計額は4倍の差があります。一般的にソーシャルレンディングの貸付先は、銀行等の金融機関が避ける短期の貸付案件が多いために、ファンド募集累計金額だけ見ても経営的な安定面の情報としては参考にならないことが少なくありません。唯一の例外は3年のファンドを中心としたクラウドクレジットだったのですが、最近は期間の短い案件も増えてきたので以前ほどは累計だけ見ても分からないようになっています。
今回、クラウドバンクの株主通信に運用金額の推移が掲載されていました。こちらでみると、業務停止命令直後の運用額が24.4億円だったのが、業務再開時点では14.3億円まで低下してしまっていたようです。これは停止期間中に新規のファンド追加ができない一方で、償還が行われていことに起因します。その後新規ファンドの募集再開され2016年3月末時点で22.2億円まで回復、成長率も12%とファンド募集の金額を超えて成長しています。

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これらのデータを見る限り、収益の中心となるファンド募集及び運用については一定の回復が進んでいるようです。
もっとも業績面の回復についてより正確に判断するには、業務停止前後それぞれについて貸出金利とファンドの利回りのスプレッドの情報が必要になります。正確なデータではありませんが、業務再開以降のファンド利回りが以前より高くなっていると感じていますので、おそらくスプレッドは小さくなっているのではないかと思います。スプレッドの縮小を補うにはより多くのファンドを運用する必要がありますので、その点は意識しておく必要があります。もっとも、以前と比べると広告を見る頻度が明らかに減っていますので顧客獲得用のマーケティング費用を抑えてスプレッドの縮小分を補っている可能性もありそうなのでそれほど意識しなくて良いかもしれません。


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