実践ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングを中心に資産運用全般について。分散投資でリスクを抑えながら、インカムゲインとキャピタルゲインを目指します。

国内株・ETF・投資信託・債権

配当株投資10年保有の結果 ー日産自動車の場合ー

以前の記事で株式投資については、
◯インデックス(日本+世界)とさわかみ投信にドルコスト平均法で積立投資
◯高配当株式・ETF(日本+米国)
◯投機枠
の3種類で実施していると書きました。今回は配当株について。

私は日産株を10年間ホールドしています。購入した当時はまだカチッとした投資方針があったわけでもないのですが、一応配当によるインカムゲイン狙いでした。今思えば日産を選んだのも「見たものが全て」でヒューリスティック(後述)の影響だったんだろうなぁと思いますが、当時はそんなことはコレッぽっちも知りませんでした。
配当00

日産以前に購入して保有を続けている銘柄は3件しか残っていません。9月25日時点の株価で見ると一応いずれの銘柄も買値を上回っていますが、日産は当時の買値が1099円に対して1120.5円とほぼ同額です。この週に世界を揺るがすVWの不正問題が突発しましたが、この時点では日産の株価はプラスにもマイナスにあまり影響がでていません。

保有して以降の株価推移をみると、リーマン・ショックの影響の大きさがよく分かります。日産は北米で稼いでいたので、特に影響が大きく2009年は赤字・無配に転落しました。2009年初頭にはなんと261円、実に買値の四分の一にまでなってしまいました。
配当01

その後、600円〜800円のレンジで推移していますが、自民党政権に戻ってからは900円〜1100円のレンジに移っています。今年になってさらに1200円〜1300円のレンジに移りかけていたのですが夏以降の中国混乱+米国利上げ観測でレンジを切り下げそうな状況です。改めてこうやってみると保有期間のだいたいは買値を下回った状況が続いており、よくこんな株持ち続けてるな、という感じだと思います。

配当02

主要な理由としては、ゴーン社長の方針で配当性向が高く、利回りも悪く無いという点があります。来年3月期の予想配当利回りで3.75%なので、現状の超低金利環境ではなかなかのものです。配当は業績と違って経営陣がある程度コントロールできるので、予想値でも多少は信頼できるかなと思っています。

日産株1000株で10年間に受け取った配当の総額は25万円を越えます。110万円の元本に対し10年間で25万円の配当、複利ではなく単利計算で平均年利2.3%だったことになります。途中リーマン・ショック直撃で無配期間があったことやこの10年間はほぼデフレ環境であったことを考えるとまずまずの値です。
そもそも配当狙いの株に関しては株価がいくらになっているかはあまり気にしないようにしています。キャピタルゲイン狙いで売るつもりであれば株価は高いほうが良いですが、売る気がないのであれば株価はいくらであっても関係ありません。

そうは言っても株価が気になるのが人情ですが、それを抑えるために個別銘柄の場合は保有金額を1銘柄あたり原則100万円程度に抑えています。そうすると1銘柄の価格変動が大きくても資産全体への影響は軽微に抑えられるので株価が気にならなくなります。分散の価値です。実際日産株は当初2000株保有してたんですが、2013年に株価が戻ってきたタイミングでリバランスの意味もあって売却しました。買値より10万円ほど下回っていましたが、配当累計が15万円ほどあったのでトータルではプラスになりました。

ここまでの話では基本的にプラスで推移しているという話なので、まぁ投資してよかったという内容になりますが、本当に日産株を買ってよかったんでしょうか?次回検証してみます。

日米のPER表記の違い

前回のトピックの余談です。

日本は株価が高くなった際に正当化しやすいいように、実績ベースのPERではなく、予想ベースのPERが利用されていることが多いです。日経の株式指標サイトでは、前期末ベースのPERだけではなく、今期の予想ベースのPERを掲載しています。例えば通常PERが10倍程度で株価が1500円のある企業で、昨年度の一株利益が100円だったのが今年度は一株利益が150円になると予想している場合、実績ベースのPERは15倍ですが、予想ベースのPERは10倍に収まります。この場合、前期実績からみると割高だが、今期は業績が伸びる予想なのでそちらで見れば割高ではない、と主張したいということですね。「150円になると言ってるからそれを信じましょうよ!」というのが日本の証券業界のスタンスのようです。

一株利益01
(前述の日経サイトから抜粋)

SBI証券ではPERは実績ベースではなく予想ベースのものしか提示していません(右下)。
BlogPaint
(三菱UFJの銘柄画面より。また下がっちゃいましたね)


しかし、これは日本独自のようで、少なくとも米国ではあまり使用されていません。以下はYahoo Finance(US)のAT&Tの株価データからの抜粋です。P/EがPERなのですが(ttm)と表記があります。

BlogPaint
これは「Trailing Twelve Months」の略で、移動12ヶ月の実績値という意味で、直近4回分の四半期決算の実績値が使われています。シラー式PERにしろttmにしろ株式投資のセンパイである米国市場では予想ではなく実績値重視です。「予想一株利益なんざあてにならん」ということでしょう。やっぱり予測は難しいんですよ。



個別株価を予測するチカラがあるかどうかを確かめる方法(2)ー勤めている会社の利益を予測してみようー

PERが企業や所属している業界によって中長期には平均に回帰すると仮定すると、株価を予測するためには一株利益が予測できれば良いことになります。一株利益を予測するということは将来の損益計算書・P/Lを予測することに他なりません。売上、販売管理費、営業外損益等々の推移を予測できれば利益の推移も予測することが出来ますので、発行株数の変更がなければ一株利益の推移も予測できることになります。どうでしょう、P/L予測できそうでしょうか?

自分に売上や利益の推移を予測するチカラ(スキル・能力・適正)があるか確かめてみましょう。自分が勤めている会社の1年後、5年後、10年後の利益を予測してみてください。自分の勤めている会社であれば、一般株主が目にする有価証券報告書よりもより詳細で活きた情報(例えば、部門ごとの年間目標、受注案件の推移、従業員の士気等々)に触れることが出来ます。さらに、所属する業界の動向全般(業界の市場規模推移予測データ、競合企業の強みと弱み等々)についても一般株主よりも詳しいでしょう。もし上場企業に勤務していれば自社の有価証券報告書と自分の持っている活きた情報を併せて予測してみましょう。いっそう精度の高い予測ができるはずですね。逆に言うと自分が勤めている会社の利益が予測できないのに、他の会社の利益が予測できるわけがありません

以前上場企業(米国企業)に勤めていた頃にこれやってみましたが、全社(世界全体)利益や日本の売上・利益はおろか自分の所属している部門の来年の売上を予測することすらままなりませんでした。IT業界は比較的業績の変動幅が大きいということが背景にありそうなので、安定性の高い(その分成長性が低い)企業に勤めていれば違った結果になったのかもしれません。ただ、本当にきちんと予測しようと思えば各項目のかなり細かい内容(例えば製品ごとの新規・既存顧客売上割合やメディア別の広告宣伝費と効果測定結果等)を出来るだけ正確に把握して、その上で各項目の変化に影響を与える項目を検討(例えば競合企業の新製品投入タイミングやターゲットマーケットでの顧客行動の変化等)し、仮定を基に何パターンかシミュレーションしてみて、どの結果が最も可能性が高いかを判断する必要があるなぁと感じました。そして「こりゃ自分には絶対無理だ」と気付きました。

「そんな細かいことまで気にしてやる必要がない」という意見もありそうですが、それだと「予測に必要な情報をすべて使って予測する」ではなく「予測できる情報だけ使って予測してるつもりになる」ことになります。「予測できている」と「何となく予測してるつもり」は全く違います。もし将来の株価の方向を予想している場合、自分はどちらなのかを正確に把握しておくことは投資判断にも良い効果があると思います。多分殆どの人は「何となく予測してるつもり」だと思いますが、気をつけないとこれって投機と紙一重です。

「ファンダメンタルズの分析で個別銘柄の株価予測ができない」=「バリュー株を発掘するチカラがない」からといって株式への投資をしないのではなく、以下の方針で投資することとしています。

◯インデックス(日本+世界)とさわかみ投信にドルコスト平均法で積立投資
 これがメイン。銘柄分散と購入時期分散でリスクをおさえて、無配当で長期的なキャピタルゲインを目指す。現在停止中の積立も米国利上げ前後に再開しようかと検討中です。特に新興国インデックス。
◯高配当株式・ETF(日本+米国)
 これもそれなりに投資してます。セミリタイアを意識してインカムゲインを増やそうと思ってから買いまししてます。リスク分散のために一部銘柄を除いて銘柄あたりの保有上限を100万円相当にしています。ここでキャピタルゲインは期待していませんので株価下がってもあまり気になりません。むしろ買い増したいエリアです。
◯投機枠
 「プラスのブラック・スワン」狙いで一発狙いものも少しは買っています。レンディングクラブとか。働いてなかった間はスイング投資もちょっこちょこやってました。先日同時株安で拾った三菱UFJなんかも半分はこの扱いですね。「上がるかどうかは運頼み」と割りきって無理のない範囲でやってます。投機といってもあくまでも「現物は強し」派なので信用はやりません。

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人間の直感はわずかな情報をもとにすぐに結論に飛びつく性質をそなえています。「みたものがすべて」で行った判断なのに結論のつじつまが合っていれば過剰な自信が生まれます。行動経済学でノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンは著書「ファスト&スロー」で人間がいかに自信過剰に陥りやすいかを説いています。自分に実際の能力以上のチカラがあるという思い込みで合理的でない判断をしてしまっていないか点検してみることは意味があります。ぜひ自分の勤める会社の一株利益の推移を予測してみてください。


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