実践ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングを中心に資産運用全般について。分散投資でリスクを抑えながら、インカムゲインとキャピタルゲインを目指します。

海外株・ETF・投資信託・債権

クラスアクション(集団訴訟)ーShareholders Foundationに登録してみたー

ここのところすっかりレンディングクラブのCEO辞任騒動に絡む記事ばかりになってしまってます。今回もCEO辞任騒動絡みではありますが、いつもとは若干違った内容です。


昨年1月にレンディングクラブの株を買った時の株価は$21.5でした。370株買ったので合計$7,955の投資です。前回見た通り2016年5月27日の株価が$4.81で370株だと合計$1,779.70になり、今のところ差し引き-$6,175.30という散々な状況です。しかもNISA口座で買ってるので、今後損失確定させても損益通算に使うこともできません。やっぱり欲をかくとイカンですね。キャピタルゲイン狙いの投資をNISAでやるのは手控えようと思いました。

私の場合はマイナス分はCEO辞任ニュースのもっと前から下がり続けているのですが、ニュース直前に買った人の場合今回の一件については怒りが収まらないのではないかと思います。こういった時に訴訟天国の米国ではクラスアクション(Class Action:集団訴訟)という制度が用意されています。
5月24日付けのニュースで「Shareholders Foundation(株主協会?株主財団?)がレンディングクラブ株投資家のための訴訟(Lawsuit for Investors in shares of LendingClub Corp (NYSE:LC) announced by Shareholders Foundation)」というのがありました。Shareholders Foundationという組織がレンディングクラブを相手に株主の代わりに訴訟を行うので、LC株持ってる人はShareholders Foundationにコンタクトして下さい、みたいな内容です。

このShareholders Foundationってなんだろうと思ってサイトにアクセスしてみたところ、クラスアクション(集団訴訟)に関する情報を提供している組織のようです。さすが米国にはいろんなサービスがあるもんです。
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サイトでサービス内容を調べていくと、予め自分のポートフォリオを登録しておけば、その企業のクラスアクションに関係する各種告知情報を知らせてくれるようです。しかも個人投資家は利用料無料です。どうやって儲けてるのか気になったのですが、どうやら金融機関やFA向けの手続き代行なんかで手数料を稼ぐビジネスモデルのようです。スタッフ全員の名前がサイトで公開されていますが6人で運営している小規模な組織でした。

「クラスアクション」というのもたまに耳にするけどよく知らなかったのでググってみたのですが、米国の集団訴訟の制度で、日本の株主集団訴訟と違って賠償金や和解金が個々の株主に還元される仕組みになっているようです(日本の株主代表訴訟の場合は、株主が会社を代表して取締役等を訴えて賠償金が出てもあくまでも会社のモノとなります。株主は賠償金を直接受け取るわけではなく、会社の価値の回復を株価の回復という形で間接的に受け取るに留まります)。

クラスアクションを起こされる企業の株を持つ機会もなかなかないでしょうからせめていろいろ試しておこう、ということでニュースにあったコンタク先(mail@shareholdersfoundation.com)に「米国在住じゃないけどLC株持ってます。ニュース読んだけど私も参加できますか?」とメールしたところ、先方から返信があってレンディングクラブの株購入情報や所有状況、(レンディングクラブへの)勤務経験の有無といった事項について追加で情報提供を行いました。結果サイトにアカウントが登録されて、所有状況がアップデートされています。ちなみにやりとりにあたっては本名はおろか国籍も明かしていません。Oshowaという名前でコンタクトしたらFast Nameが「Oshowa」で登録されています。Last Nameは「Needlastname」となっております。クラスアクションの結果が出て賠償金等を受け取る権利が発生した場合はさすがにきちんとした本人確認手段を行う必要があるのでしょうが、とりあえず情報受け取るだけだったら別に何でもいいみたいですね。今のところ何一つ本人を特定される情報は入力していません。
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メールでやり取りした内容に基づいてポートフォリオ状況も入力されています。冒頭に触れた通りマイナスなのは今回の件とは関係ないんですけどね。
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他の保有銘柄も追加したければ簡単に追加できそうです。

サイトのトップページからもアカウントオープンできるようなのでLC損失仲間の方は登録してみてはいかがでしょうか。実際に賠償金なり和解金の受け取りが発生するとしたら、本人確認以外に振込先の口座の指定等手続き的にいろいろクリアする必要があるでしょうから、簡単な話ではないと思いますが。





 

CoCo債と優先株預託証券 ーハイブリット証券投資(2)ー

まず「優先株」の方ですが、主に米国の大手金融機関の「優先株」であれば国内で調達できます。例えば、以下は4月末時点でHIS証券で募集がかかっているものです。
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ただ、優先株投資であれば個別銘柄よりもやっぱりiシェアーズ 米国優先株式 ETF、通称PFFが本命だと思います。当ブログでも昨年紹介していますが、主に米国の金融機関の優先株を中心としたETFです。今のところ配当6%程度を維持して基準価額も比較的安定した動きを保っています。一方で、欧州金融機関の優先株というのはほとんど聞いたことがありません(単に不勉強なだけかもしれませんが)。

続いて「CoCo債」の方ですが、こちらは先日のブログでも書いた通りCoCo債を中心に据えている投資商品にはほとんど選択肢がなく、日興アセットマネジメントのグローバルCoCo債ファンドくらいしかみあたりません。こちらは投資先を見てみるとほぼ欧州の金融機関になっています。
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(「グローバルCoCo債ファンド ヘッジなしコース マンスリーレポート」より抜粋。データは2016年3月31日現在)
このファンドの4月末時点での分配実績は(為替設定でバラつきがありますが)およそ6%とPFFと同程度となっています。

ざっくりいうと自己資本強化対策として米国系金融は「優先株」、欧州系金融は「CoCo債」を採用しているのかなぁという印象です。つまり「優先株」と「CoCo債」どちらが良いか?という質問は、日本の個人投資家がハイブリット証券に投資するなら「米国金融」と「欧州金融」どちらのが良いか?という質問に置き換えられるのかなぁと感じてます。

私の場合、既にPFFを含め米国マーケットへの投資はそれなりの比率を占めているので、分散投資としての意味合いもあって欧州のCoCo債に興味があります。今年に入ってドイツ銀行の業績懸念やギリシア問題の再燃が噂されるようになりCoCo債の価格が大きく下がりました。ということは利回りが高くなった状況だったわけです。今年2月に日興がCoCo債ファンドの価格下落に関して出したリリースを見ても、過剰な売りがあったようにみられます。今後もECBのマイナス金利継続やギリシア不安再燃といった懸念が続きそうだとはいえ、これまで軽くバブルぎみだったものは弾けた感じがするので投資するタイミングとしてはまずまず良いのではないかと感じています。もし複数のCoCo債と連動するようなETFのような商品があればすぐにでも投資したいのですが、今のところ見つけられておらず行動に移せていません。かといって販売手数料で3.24%、信託報酬1.766%もとられるようなファンドを購入する気にもなれません。

そもそも、もしこういった手数料が気にならないのであれば、多くの証券会社で販売されているハイブリット証券ファンド買えば、それだけで日米欧の金融機関が発行している「優先株」も「CoCo債」もカバーされていますので、通常はあえて「CoCo債」だけのファンドを買う必要はありません。ただし、現在のように米国金融機関は(欧州と比べて)堅調だが、欧州金融機関は不安定というタイミングで投資する場合は「CoCo債」だけに投資するということにも意味があるようには思います。

もし手数料は気になるが欧米のどちらのハイブリット証券に投資するかは気にならない(あるいは米国のハイブリット証券に投資する)のであれば、PFF一択です。SBI証券とかマネックスとかで購入可能なので配当も分離課税で処理できます。ただし外国税額控除は必要です(参考:インカムゲイン狙いの米国ETF投資 ー外国税額控除は必須ー)。

CoCo債、優先株は通常時は安定した高利回り商品ですが、その発行理由から明白な通り金融危機の際のダメージは通常の債権とは比べ物にならないでしょう。「普段はいいけど特定のマーケットが崩れると軒並みアウトになるかもしれない」という感じが不動産型のソーシャルレンディングと似てますね。投資にあたっては利回りだけに惑わされないでリスクを取れる範囲に投資額を抑えましょう。

CoCo債と優先株預託証券 ーハイブリット証券投資(1)ー

「CoCo債」と「優先株預託証券」のどちらに投資するのが良いと思うのかという主旨のご質問をいただきましたので、個人的な見解について書いてみたいと思います(あくまでも素人の意見です)。

「CoCo債」は日本語だと「偶発転換社債」と呼ばれる通り転換社債の一種です。発行元は基本的に金融機関であることがほとんどだと思いますが、自己資本比率が一定割合を下回ると強制的に株式へ変換されて自己資本の補給に充てられることになります。つまり発行企業の状況次第で株式にされてしまう可能性のある債権です。詳しい説明はこちらで

一方、「優先株預託証券」 の方は「優先株」の「預託証券」です。「優先株」は議決権がない代わりに普通株よりも優先的に余剰金の配当を偉ることができる、つまり普通株より配当が多くなる株式です。説明はこちら。「預託証券」とはもともとの発行国以外で売買しやすくするための仕組みです。説明はこちら。 「優先株預託証券」は議決権がないけど配当の多い海外で流通させる株式ということになります。簡略化のため以降では単に「優先株」と表記します。

「CoCo債」「優先株」いずれも債権と株式の中間の性質を備えていためハイブリッド証券と呼ばれる部類の商品になります。近年ハイブリット証券が増えている背景として、バーゼルIIIっていうリーマン・ショック後の規制強化が進む中、大手金融機関が自己資本強化を進める必要性が高まって多く発行されるようになっています。Bloombergの説明によると、2019年までにバーゼルIII対応を進めるために2014年からCoCo債が急激に発行額が増えているそうです。
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(Bloombergのサイトより引用)
世界でP2Pレンディング、オンラインレンディングが広がっていく背景として、バーゼルIIIによる大手金融機関の自己資本比率の強化があるというのと同等の文脈で、これまで大手金融機関が独占していた機会や利益がバーゼルIIIをきっかけに個人投資家へ移転されているように感じます。そもそも、これまで大手金融が不相応なリスクテイクの結果として莫大な金額を自分たちの懐に入れておきながら損失が出たら税金で補填しても自分たちは金は返さないというのがおかしな話だったわけです。がんばれバーゼル銀行監督委員会!

閑話休題。上記の通り「CoCo債」は債権の派生、「優先株」は株式の派生なので、どちらが良いかを判断する際には債権と株のどちらが自分のリスク嗜好にあっているかをもとに判断すれば良さそうに思えます。でも現状では日本の個人投資家にとって「CoCo債」とか「優先株」という区分けの仕方はそれほど重要な視点ではないと思っています。例えば、株式より社債の方を好む投資家の場合であっても、トヨタ株より米国シェールオイルベンチャーの社債の方が良いとは決して言わないと思います。株式か債権かどちらが良いか、という判断をする以前に投資対象の状況が重要になります。投資対象の一定程度の同質性が確認されている場合にのみ、株式か債権かどっちが良い、という嗜好が重要になると思います。この視点を「CoCo債」か「優先株」のどちらが良いかという設問に当てはめてみるには、日本の個人投資家が投資できる「CoCo債」と「優先株」の発行元にどういう特徴があるのかを確認する必要があります。

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