続いて、財務安定面の状況についてです。
有価証券報告書記載の財務諸表で見ると、赤字決算の影響を受け株主資本が前年度末の488,267千円から
369,901千円へと毀損してます。個人的にはまだ心配するほどの金額に落ち込んでいるとは思いませんが、株主通信によると、第二期有価証券報告書の対象期間直後である2016年4月に1億円の増資が行われており、前年度末の株主資本と同等のレベルに回復させています。増資にあたっては新株予約権(ストックオプション)を行使する形式で行われたようなのですが、ストックオプションにこういう利用用途があるとは知りませんでした。

4月に増資があったため、現在のクラウドバンクの株主構成は有価証券報告書に記載されている3月末時点のものから変更になっていますが、まずは有価証券報告書に記載されている株主情報を転載します。
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続いて、株主通信に記載がある増資後の上位株主について転載します。 

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有価証券報告書からの変更でみると、前述の増資を引き受けた結果、代表取締役である金田氏が所有するAaron Asset Management株式会社の持ち株比率が42.47%と増えている点が目を引きます。もっとも未だ過半数に達していない状況なので、これを経営面の不安定要因とみるか、独走抑止効果があるとみるかは意見が別れるところかと思います。

他に八木圭介氏と藤原彰人氏が増資を引き受けているようですが、いずれもクラウドバンクの持株会社化以前からの株主だと思われます。

今回全く新たに名前が出てきたのが佐護勝紀氏です。あまり見かけない苗字なので、ほぼ間違いなく元ゴールドマン・サックス日本法人副社長現在ゆうちょ銀行の運用責任者の方と同一人物だと思われます。この方が株主に加わったのであれば、経営的にプラスになるコネクションが付加されることが期待できるかもしれません。年齢的に金田社長と同じくらい、両者とも東大卒の経歴なのでそのあたりのつながりでしょうか。ちなみに今はなき長者番付によると2005年の納税額74位で宇多田ヒカルや孫正義よりも多いという御仁です。

前年度の赤字決算に対して、これまで確認できている状況からは、業績回復見込み及び財務的な安定性についてはある程度の評価はできそうです。今年度、新しい経営体制のもとで着実な成長が達成できるかどうかといった点に注目したいと思います。