欧州ファンドはエストニア、フィンランド、スペインの3カ国の債務者へ貸付を行っていますが、リスクタイプごとの債務者の居住国について報告がありました。これがまた一目瞭然で大きな特徴があり、今後の投資判断に参考になりそうです。
実質的にリスク低減型はエストニアの債務者、ハイイールド型はスペインの債務者に貸し付けるファンドになっていますね。バランス型はエストニアとフィンランドが半々という感じです。
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ちなみに国別の視点で見ると
エストニア:リスク低減型とバランス型のみでハイイールド型はほとんどなし
スペイン:ハイイールド型とバランス型のみで、リスク低減型にはゼロ
フィンランド:バランス型がメインだがリスク低減型とハイイールド型にもそれなりにあり
となかなか面白い傾向です。この辺りの背景は何があるのか興味ありますね。

最後にQ&Aがあり、いろいろ質問が出ていましたが個人的に重要だと思った点について記載しておきます。

ハイイールド型ファンドで3号、4号みたいに分かれているが、投資家から見れば結局同じファンドに貸し付けているため、2号だろうが3号だろうが4号だろうが同一期間のパフォーマンスは共有することになる。ただし、ハイイールド型とリスク低減型とバランス型はそれぞれ別のファンドになっているため、パフォーマンスはそれぞれ別になる。

ペルーファンドでもそうでしたが、1号に始まり2号、3号と追加されていくに従ってより多くの投資資金が累積される仕組みになっているため、貸付先の分散効果もどんどん大きくなっていくことになります。欧州ファンドに投資する人が増えれば私の保有している欧州ファンドの分散効果も高まるということです。皆さん、ぜひ投資してください。

当初より期待利回りが上回った場合であっても投資家への追加の還元はない。上回った場合、将来期待利回りが想定を下回った場合の支払いにあてるための資金としてプールする。

現状、予定を上回って運用されているため、今後の追加募集で投資する投資家はある程度の資金がプールされた状況に参加できるということですね。

実際、投資家が匿名組合に出資すると、匿名組合からエストニアのクラウドクレジット子会社へ決まった金利で貸付を行う仕組みになっているため約束した金利を越えて支払うことは難しそうです。ある程度安定的な配当を行う上では必要な仕組みであることは理解できますが、これとは別に運用結果にダイレクトに連動するようなファンドも検討してもらえると良いですね。

個人でレンディングクラブへ投資を行っていますが、再投資のためにほぼ毎日アクセスが必要(結構面倒くさいです)なのと比べると、クラウドクレジットの欧州ファンドではそれらの手続きを完全に委託できるのが良い点です。一方で個人でやれば細かい貸付先の条件設定まで行えるのに対して、欧州ファンドはおおまかなリスク傾向しか指定できないのは弱いところです。ただ、総合的に見れば明らかに利点が上回っていると思っています。

クラウドクレジットの運用報告会に参加するとファンドの理解が深まるので良いです。サイトにもデータを上げて欲しいというリクエストも出ていましたが、データの意味を誤解無いようきちんと説明した上で提示したいという会社側の意見も理解できます。かといって報告会の頻度上げていくには会場のコストもかかるでしょうから、WebExのようなものでネット経由で説明会を実施するのはどうでしょう。参加者の地理的な制約もなくせますし。
例えば3ヶ月毎にWebExで報告会を実施、年1回だけオンサイトでの報告会(できれば複数ファンドまとめて実施)とかにしてもらえると良いかも。関係者の皆様、もしご覧になっておられたらぜひご検討下さい。