まず「優先株」の方ですが、主に米国の大手金融機関の「優先株」であれば国内で調達できます。例えば、以下は4月末時点でHIS証券で募集がかかっているものです。
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ただ、優先株投資であれば個別銘柄よりもやっぱりiシェアーズ 米国優先株式 ETF、通称PFFが本命だと思います。当ブログでも昨年紹介していますが、主に米国の金融機関の優先株を中心としたETFです。今のところ配当6%程度を維持して基準価額も比較的安定した動きを保っています。一方で、欧州金融機関の優先株というのはほとんど聞いたことがありません(単に不勉強なだけかもしれませんが)。

続いて「CoCo債」の方ですが、こちらは先日のブログでも書いた通りCoCo債を中心に据えている投資商品にはほとんど選択肢がなく、日興アセットマネジメントのグローバルCoCo債ファンドくらいしかみあたりません。こちらは投資先を見てみるとほぼ欧州の金融機関になっています。
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(「グローバルCoCo債ファンド ヘッジなしコース マンスリーレポート」より抜粋。データは2016年3月31日現在)
このファンドの4月末時点での分配実績は(為替設定でバラつきがありますが)およそ6%とPFFと同程度となっています。

ざっくりいうと自己資本強化対策として米国系金融は「優先株」、欧州系金融は「CoCo債」を採用しているのかなぁという印象です。つまり「優先株」と「CoCo債」どちらが良いか?という質問は、日本の個人投資家がハイブリット証券に投資するなら「米国金融」と「欧州金融」どちらのが良いか?という質問に置き換えられるのかなぁと感じてます。

私の場合、既にPFFを含め米国マーケットへの投資はそれなりの比率を占めているので、分散投資としての意味合いもあって欧州のCoCo債に興味があります。今年に入ってドイツ銀行の業績懸念やギリシア問題の再燃が噂されるようになりCoCo債の価格が大きく下がりました。ということは利回りが高くなった状況だったわけです。今年2月に日興がCoCo債ファンドの価格下落に関して出したリリースを見ても、過剰な売りがあったようにみられます。今後もECBのマイナス金利継続やギリシア不安再燃といった懸念が続きそうだとはいえ、これまで軽くバブルぎみだったものは弾けた感じがするので投資するタイミングとしてはまずまず良いのではないかと感じています。もし複数のCoCo債と連動するようなETFのような商品があればすぐにでも投資したいのですが、今のところ見つけられておらず行動に移せていません。かといって販売手数料で3.24%、信託報酬1.766%もとられるようなファンドを購入する気にもなれません。

そもそも、もしこういった手数料が気にならないのであれば、多くの証券会社で販売されているハイブリット証券ファンド買えば、それだけで日米欧の金融機関が発行している「優先株」も「CoCo債」もカバーされていますので、通常はあえて「CoCo債」だけのファンドを買う必要はありません。ただし、現在のように米国金融機関は(欧州と比べて)堅調だが、欧州金融機関は不安定というタイミングで投資する場合は「CoCo債」だけに投資するということにも意味があるようには思います。

もし手数料は気になるが欧米のどちらのハイブリット証券に投資するかは気にならない(あるいは米国のハイブリット証券に投資する)のであれば、PFF一択です。SBI証券とかマネックスとかで購入可能なので配当も分離課税で処理できます。ただし外国税額控除は必要です(参考:インカムゲイン狙いの米国ETF投資 ー外国税額控除は必須ー)。

CoCo債、優先株は通常時は安定した高利回り商品ですが、その発行理由から明白な通り金融危機の際のダメージは通常の債権とは比べ物にならないでしょう。「普段はいいけど特定のマーケットが崩れると軒並みアウトになるかもしれない」という感じが不動産型のソーシャルレンディングと似てますね。投資にあたっては利回りだけに惑わされないでリスクを取れる範囲に投資額を抑えましょう。