日銀がマイナス金利の導入を決定しました。個人的にはやはり為替面への影響が大きいのかなと思っています。発表当日は世界的に株式市場へプラス効果が働きましたが、これは一時的なものだろうと思ってます。
ちなみに世界をみるとECB、スイス、デンマーク、スウェーデンですでにマイナス金利が導入されていますが、それぞれの金利をみると以下の通りです。

スウェーデン:-1.1%
スイス:-0.75%
デンマーク:-0.65%
ECB:-0.3%


今回日銀が導入した金利は-0.1%なので、今後必要に応じてマイナス幅を増やすことができそうです。各種の報道に目を通すと、マイナス金利がデフレ対策として有効かどうかはかなり意見が別れていますが、為替対策として一定の有効性があることはほとんどの人が認めているようです。今後為替が円高に触れた場合、日銀にマイナス金利幅を増やすという非常にわかりやすいオプションがあることは円高方向へ向かうエネルギーに対して一定のブレーキ効果があるのかなと思っています。

一応ソーシャルレンディングブログを謳っていますので、マイナス金利がソーシャルレンディングにどういった影響がありそうかをシロートなりに考えてみました。

<プラス面>

・金融緩和の強化によりデフォルト発生が先延ばしにされる可能性が高い。不動産関係商品は市況悪化の可能性が取り沙汰され始めていた時期だっただけに、特に恩恵が大きそう。なんとも不自然な「デフォルト未発生」がまだしばらく続くことになりそうな気がします。

・マイナス金利により銀行のバランスシートに悪影響があるのは確実で(参照:「マイナス金利導入に地銀からは悲鳴、収益圧迫は不可避」)、特にバーゼルIII対応で自己資本の見直しが取りざたされる銀行にとってはその影響は大きそうです。場合によっては一部で貸し渋りがでる可能性もありそうで、そうすると銀行から借りれない企業等への貸出案件がこれまで以上に増えることが期待できるかもしれません。もっともこうした状況になれば政策的に何かしらの対応(例えば特別融資制度等)がとられる可能性も高いとは思われます。今年はが選挙ありますしね。


 <マイナス面>

・単純に考えると貸出金利が下がってその分投資家への配当も下がるはず。ただ前述の銀行の状況を考えると、実際は貸出金利が下がらない可能性もあるかもしれません。もし下がる場合もマイナス金利幅そのまま転嫁されることはないのかなと思っています。

総じて、当面のところマイナス金利の導入はソーシャルレンディングへはプラスなのかなと思いますが、今後の各社の状況の推移を見たいと思います。

しかし一番のリスクは、前述した通りデフォルト先延ばしが発生することで「投資上のリスクがない、あるいはすごく小さい」と誤解して、本来取るべきリスクを越えて大きく投資してしまうことでしょうか。「山高ければ谷深し」に気をつけましょう。