いざというときには事業売却というのもあり得る選択肢です。実際、増資が難しくなるといきなり廃業ではなく事業売却を検討することになると思いますので、ある意味ここが最終関門的なポイントだと思っています。

SBIに関しては、特にコメントはないです。

クラウドバンクは、配下の日本クラウド証券自身がみどり証券を買収してグリーンシートの顧客口座ごと引き継いだように、第一種金融商品取引業という器は事業売却時に有利に働くことが期待できるのではないかと思っています。第一種が必要な事業への新規参入にあたっては、新規登録するよりも既存の登録事業者を買収することが少なくなさそうなので、もし売りに出た場合、それがない場合よりも成立する可能性が高いかな、と感じています。実際日本クラウド証券以外にソーシャルレンディング参入企業のAIP証券は第一種金融商品取引業として登録されていますが、過去経営権が移り変わっているようです。第一種の場合「ダメだから廃業する」というより、「ダメだったら売却先を見つける」といった対応で買い手がつく可能性が少しは上がりそうです。もっとも、その場合であっても既存口座を引き継ぐことが必ず期待できるというわけではありません。あくまでも相対的なものであると理解しておく必要があると思います。

クラウドクレジットも、ソーシャルレンディングの中での事業の独自性が高く、かつ既存株主に伊藤忠やマネックスがいますのでいざという時であっても売却先をみつけるのが難しくないのではないかと考えています。実際、べンチャー企業買収の仲介は銀行よりもベンチャーキャピタルが中心ですし日本だと商社もその機能を持っています。大手商社で投資業務を行っている知人がいますが、彼らは本当に幅広く情報持ってますので大手商社が出資しているといざというときにも頼りになるだろうと思っています。

そういう面ではAQUSHもサイバーエージェントやリクルート系のベンチャーキャピタルの出資を受けているので突然破綻する可能性は少ないのかな、と思っています。ただいずれも金融系ではないのでどの程度の調整力が発揮できるかは不透明ではあります。AQUSHに関しては単にソーシャルレンディングに注力しなくなっているので投資を引き上げていますが、もし新しいサービスが出るのであれば再度投資を検討できると思っています。

UBIについては情報を得ることが出来ませんでした。

まとめると以下の通りです。
本業の影響を避ける→突然悪化するような業態でないかを確認する
チェック機構を確認する→第三者のチェックをうける、あるいはチェック済みの情報を公開している
増資の可能性があるところを選ぶ→既存株主構成を確認する、公募増資の条件をクリアできるか確認する
事業売却の可能性があるところを選ぶ→第一種金融商品取引業を選ぶ、ベンチャーキャピタルが出資している企業を選ぶ

以上を踏まえて私が当初投資している5社について一覧にまとめてみました。

maneo SBIソーシャルレンディング クラウドバンク AQUSH クラウドクレジット
運営企業と経営形態 maneoマーケット(1) SBIソーシャルレンディング(1) 日本クラウド証券(1) ExCo(2) クラウドクレジット(2)
株主公開 非公開 公開 公開 一部公開 公開
親会社あるいはVC 非公開だけど多分UBI SBI クラウドバンク (VC出資)
サイバーエージェント、リクルート他
(VC出資)
伊藤忠、マネックス他
親会社の株主公開 非公開 公開 公開 n/a n/a
親会社の株主 不明 有価証券報告書に記載 有価証券報告書に記載 n/a n/a

ソーシャルレンディング運営企業はいずれも(詐欺でない限り)ビジネスを伸ばすことを前提に行動していると思います。しかし、実際は事業が計画通りにうまくいく保証というのはなく、投資家の立場からすると突然の破綻を防ぐ仕組みがきちんと備わっているのかどうかを見定めることが重要だと思います。

繰り返しになりますが、突然の破綻を避けるには運営企業あるいはその親会社が経営状況についてチェックを受けているかを選別することだと思います。「黒字です」とか「チェック受けてます」といった自己申告ではなく定期的にきちんと第三者により監査を受ける体制にあることが重要だと考えています。
また、第三者の出資受け入れによる資本増強や売却によって口座ごと新しい企業へ引き継がれる可能性も吟味することで投資元本への影響を抑えられる可能性は高くなると考えられます。

もっとも過去に事例がないのでそれらの対策で必ず大丈夫と言えるものではないですし、すべてのベンチャーキャピタルが救済のためのアレンジ能力があるわけでもないので、条件を満たしているから必ず安全だというわけではありません。逆に条件を満たしていなくても問題無い企業も当然あると思います。
しかし上記条件を満たしている企業の方が満たしていない企業よりはるかに安心感があるのも事実なのです。