SBIソーシャルレンディングがサービサーズローンの募集予告を行っています。募集金額は13億円で予定利回りは6.0%

最初、商品名にうける印象からはサービサー(債権回収業者)への貸し付けかと思いましたが、スキームの説明をみるとどうやらそうではありません。回収対象債権を保有するSPC(特別目的会社)をたてて、そこに貸し付けを行い、実際の回収は複数のサービサーに委託するようです。
SB00
(SBIソーシャルレンディングのSBISLサービサーズローンファンド1号商品概要より転用)

SPCの保有対象となる債権についてはサイトで説明されているものを転載します。

①定期弁済債権
定期弁済債権とは、当該債権の債務者において、支払が困難又は不可能となり、債権者と支払条件等の協議をした結果、現在では、協議された支払条件等に従って各回の支払期日に支払がなされている債権をいいます。
②連絡可能債権
連絡可能債権とは、毎回の支払期日に支払はなされていないが、電話又は郵便により連絡をすることができる債務者に係る債権をいいます。
③行方不明債権
行方不明債権とは、毎回の支払期日に支払はなされておらず、かつ、電話又は郵便によって連絡をすることもできない債務者に係る債権をいいます。
④請求不可債権
請求不可債権とは、破産債権、再生債権、弁護士介入債権、病気療養中の債務者に係る債権等であって、当該債務者に対し請求をすることができない債権をいいます。

債権区分でいう「要注意先」以下に相当する債権、いわゆる不良債権が対象ということだと思います。表現をみる限り消費者ローンの不良債権が主体と印象です。担保の有無についての記載はありませんが、おそらく無担保ローンの不良債権と考えたほうが良いのではないかと思います。

スキームとしては、日本のソーシャルレンディングで主流の事業者への貸し付けローンファンドというよりクラウドクレジットのペルーファンドに似ています。ただし両者では公開されている情報量に大きな差があり(保有する債権の種別、購入元、購入金額(額面の何%)等々)、正直SBIソーシャルレンディングのファンドは予定されている回収可能性を判断できる材料が全く提供されていません。

そこでちょこっと調べてみたところ、サービサーの業務状況に関しては毎年法務省が公開しているデータがあります(債権回収会社(サービサー)の業務状況について)。これをきちんと読み解けば平均的な回収目処についての傾向についてはある程度の把握できるかもしれません。昨年12月31日時点の累計として、320兆円の債権に対して35兆7千億円を回収しているというデータが提示されています。ここから計算すると回収率は11.1%ですが、実際の利益は回収に必要な経費を除いたものとなりますので、仮に経費率を2-3%とすると8-9%の利益率となります。今回のSBIソーシャルレンディングのファンドでは実際の貸付金利は7.5%でSBIソーシャルレンディングが1.5%を徴収、投資家へは6.0%という予定になっています。法務省のデータと較べてもそれほほど違和感はなく、それなりに納得感があります。
  • 2015年12月22日訂正:単なる回収率から利回りは計算できないので、この試算は意味がありませんでした。誤解を与える表現をしてしまい申し訳ありませんでした。
ただし、法務省の累計データは担保有無、債権種別問わず全体の値なので、本当はもう一段ブレークダウンした値が欲しいところです。もっといろいろ探せば無担保債権の回収率の目安もあるかもしれませんが、今回はちょっとそこまで調べられそうにありません。となると投資するかどうかはいつもの通り、SBIソーシャルレンディングというかSBIグループに対しての信用度で判断するしかありません。ファンド設定にあたってはSBIグループの法務部門と財務部門が審査を行っているはずなので、個人的にはある程度の信頼感はもっています(参照:SBIソーシャルレンディングのセミナーに参加しました(1))。

今回のファンドは従来のファンドと違って投資対象、というか回収対象は相応に分散されていると思いますので、1ファンドあたりの上限設定としている10万円ではなく50万円〜100万円程度投資しようかと考えています。24日は朝から予定があるので早くてもお昼ごろまで手がつけれないですが、13億円だと流石に瞬殺はないだろうと期待しています。

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現状サイトでファンドの詳細な情報は少ないですが、クラウドクレジットのペルーファンドもサイトでの情報量は決して多くなく、詳細情報はセミナーで開示されていたりしますので、SBIソーシャルレンディングのサービサーズローンファンドに関しても現時点のサイト情報だけで判断するのは拙速かもしれません。

情報開示の壁になっている貸金業規制についても、今回のような不良債権ファンドのようなスキームを取れば担保内容の不良債権リストに関する情報はある程度開示できるのではないかと淡い期待を抱いています。SBIソーシャルレンディングには、その点も期待したいと思います。