◯不良債権リストの違法性リスク
以前NYTの不良債権ビジネス記事について紹介しましたが、この記事では回収業者がアンダーグラウンドなブローカから不良債権リスト買い取ったら、他の回収業にも同じリストが重複して販売されていて回収できないといった例が紹介されています。
ペルーファンドも、不良債権リストを買い取るところが実際の投資のスタートになりますがどこからリストを調達するかは違法性を排除する上で重要だと思っています。以前この点を杉山社長に確認したところ、クラウドクレジットの第二種金融商品取引業の登録にあたって「ペルー国内の金融監督庁の監督下にある金融機関の延滞債権の買取を行う」としている旨の回答をもらいました。どこから調達しているか、という点については回答をもらえなかったのですが、先ほど(前回記事)と同じ「今後の運用方針」に

金融機関に加えて、投資ファンドの延滞債権ポートフォリオの購入も検討(ただし当初のオリジネーターが金融機関の案件のみ)

とあります。これをみると、これまでの買取は金融機関から直接不良債権リストを購入していたようなので違法性や所有権の問題はなさそうです。
今後は投資ファンド経由のものの購入も検討しているようなので、その場合は購入時の厳密なデューデリジェンスの実施及び投資家への情報公開が重要になってきます。ただし債権の発行元はあくまでも「ペルー国内の金融監督庁の監督下にある金融機関」ということなので、購入元の投資ファンドのチェックができればリスクはそれほど大きくはなさそうです。

蛇足ですが、NYTの記事は昨年出版された「Bad Paper」という本の紹介記事でした。最近ペーパーバック版が出たようなので興味ある方はどうぞ。不良債権回収ビジネスについて、どんなリスクがありそうかに加えていかにリターンが大きいかもよく分かると思います。




◯不良債権リスト購入機会ロスリスク

不良債権回収ファンドでは不良債権リストを購入するところから投資が始まりますが、実際にリストが売りに出された時に手許に現金がないとリストを購入することが出来ません。クラウドクレジットのペルーファンドではファンド募集で集まった資金をもとに不良債権リストを購入しているようなので、募集してから実際にリストが売りに出るまでの間に待機期間が発生してしまいます。この待機期間はファンド運用から最初の6ヶ月が無配当になる理由の一部だと思います。この点に関連して「今後の運用方針」で

現地の銀行からコミットメント・ラインを得、新規案件購入の柔軟性を増す

とあります。現地銀行から必要な時に予め決まった上限までの融資を受けられるように約束を取り付けておくことで、価値の高そうな不良債権リストが売りだされた時に手許に現金がないという理由で見送らないといけないリスクを減ずることが出来ます。また、結果的に投資資金の待機期間の縮小にも繋がるのではないかと期待されますが、この点は融資資金の金利との相殺になるかもしれません。


◯残ってる疑問
残っている疑問としては以下がありますので機会あれば確認していきたいと思います。

・各ファンドと不良債権リストの組み合わせはどうなっているのか
ペルーファンドはこれまでに10本販売されていますが、一方で不良債権リストは4機関から購入したことは分かりますがいくつ購入しているのかが不明です。それぞれのファンドと不良債権リストの組み合わせがどうなっているのかもよく分かりません。もし、個々のファンドが特定のリストに紐づいているのではなく、あくまでもペルー子会社への貸付扱いで結果的にリスト全体と紐付いているのであれば、今やってるみたいに1本10万円とかで分散して購入する意味がありません。そもそもファンド自体で回収先のリスク分散はされているので、いつ買っても同じなんだったら50万円単位とかでまとめて買いたいと思っています。

・各不良債権リストの債務者数と平均債務残高
この内容が分かればどの程度回収先が分散されているかの目安になります。
同じ額面1000万円のリストでも10万円✕100人と100万円✕10人では、1件あたりの回収リスクの大きさに違いがあります。もっとも回収コストを考慮するとやたらと分散されていればいいというものでもないでしょうが、どの程度分散されているのかはやはり気になりますね。

・投資家のアップサイドはない?
現在運用されている商品は想定より回収率が高くなった場合に、投資家へはアップサイドのリターンはないと理解しています。10%台のリターンなのでそれ以上贅沢言うなといわれそうですが、追加でリスクを負担してもよいのでアップサイドの機会もある商品も出てくるとうれしいですね。これは疑問というより要望でした。

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今思えば最初の頃は十分理解できないまま投資をしていましたが、何度か杉山社長の説明を伺う機会を経て「ひょっとしてペルーファンドって思った以上に良いファンドじゃないか」と思い始めていたのですが情報不足で記事に出来ていませんでした。ここでいっている「良いファンド」というのは「リスク分散が優れていて期待利回りの達成可能性が高いファンド」という主旨です。今回は残念ながら説明会に参加できませんでしたが、ファイアフェレットさんのおかげで知りたかった情報の一部を得て自分の認識との相違がなさそうなことを確認でき、この記事にすることができました。

クラウドクレジットのペルーファンドは一般の個人投資家がふれることの出来ない投資機会を提供してくれます。まだ課題もありますが、個人的には日本のソーシャルレンディング企業が現状提供している商品の中でペルーファンドは一番のお気に入りです。実際は「レンディング(貸付)」ではなくて「コレクション(取り立て)」ですけど。かなり細部まで情報開示をしている姿勢も高く評価したいです。

次はメキシコですね。期待しております。