現地時間8月4日に発表されたレンディングクラブのQ2(4月-6月)決算が発表されました。
レンディングクラブのIRページのQuarterly Resultsにハイライト・電話会議の録音・プレスリリース・プレゼンテーションがあがっていますので詳細はそちらをご確認ください。

一番気になっていたローンのオリジネーションは対前年同期比で90%成長を達成、つまりほぼ倍に増えています。成長スピードはいまだ衰えていませんでした。
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Q1およびQ2の順調な業績を反映して、今年の業績目標を上方修正しました。
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業績に関して、アナリストの予想を上回る結果であったため、翌日の株価は4%強上昇してクローズしました。

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決算後の各メディアの記事は概ね好調な決算を伝える内容のものが中心でしたが、一番気になったのはWall Street Journalの「Investors Like Lending Club’s Growth(投資家はレンディングクラブの成長を好感)」という記事でした。タイトルからは、好調な決算についての肯定的な記事のように見えますが、本文にはレンディングクラブの株価動向について示唆する一文が含まれています。以下記事からの引用です。

「In its early days, many investors looked at Lending Club more like a tech company with a valuation that reflected the potential for an exponential growth rate. In its first two earnings reports, investors became more wary because the company started looking a lot more like a bank — albeit one with a more steady growth rate.
The most recent earnings report looks like a shiny version of that more traditional finance firm. 」

例によってざっくり意訳してみます。

「当初投資家はレンディングクラブについて大幅な上昇の見込めるテック株(技術系株)としてみなしていたが、最初の2回の決算をみて「成長率は高いがどうやら銀行に近い会社のようだ」と思い始めている。今回の決算も(テック企業ではなく)「優秀な金融株」に見える」

要は「現在の株価を正当化するには(例えばGoogleやFacebookといった)テック株相当の成長性が必要だが、せいぜい優秀な金融株程度の成長性しか期待できない、つまり株価を正当化出来ない」という主旨でしょう。実際レンディングクラブの株価は、期待を上回る業績結果にもかかわらずIPO価格の$15を下回ったままで推移を続けています。
以前からWall Street Journalはレンディングクラブに批判的な記事が多いですが、今回は業績が良かったので直接的に批判するのではなく投資家の期待値を基に批判を展開しているようです。現状の株価の推移を見るとWall Street Journalの指摘が的を射ているようにも思えますが、一方でCEOのロナウド・ラプランシェが主張するように現状はロックアウト期間終了による需給の悪化が株価低迷を招いている可能性もありそうです。

個人的にはレンディングクラブの今後の成長性について判断するにはもう何回か決算の様子を見る必要があるのかな、と思っています。