前々回「働くことになりました」で触れたとおり今年母が他界しました。

両親は共働きだったので、相続税がかかるほどではないですが母名義の遺産も多少ありました。銀行口座複数、証券口座、生命保険、他に実家が父と共同名義になっているのと軽自動車がありました。父が健在なのに加え、妹が一人いるので私を入れて三人で遺産分割について話し合うこととなったのですが、幸いモメることもなく円満に合意することが出来ました。

以前も取り上げましたが今年相続税の基礎控除額が減って、アッパーマス層(金融資産3000万円以上)の一部も相続税の対象になってきました。40代〜50代の方はそろそろそういったことを気にする必要が出てくる頃ではないでしょうか。できれば親御さんが元気なうちに資産の棚卸しをしておくに越したことはないと思います。特に親御さんが自宅不動産にお住まいの場合、その資産価値がどの程度かを把握しておくことは相続税の対象になるかどうかの判断でも重要になってきます。自宅不動産の価値は土地と建物に分かれます。建物に関しては毎年送られてくる固定資産税の納税通知書に記載されている建物の評価額と同一です。もし手許になければ住居のある自治体で「固定資産評価証明書」という書類を入手すれば掲載されています(↓うちの実家の固定資産評価証明書の例です)。

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土地に関しては、固定資産評価額ではなく路線価から計算します。「全国地価マップ」という便利なサイトがあります。路線価のデータは若干古いことがあるようですが概算を確認するには十分だと思われますのでこちらで確認するとよいのではないでしょうか。国税庁の路線価図よりも断然見やすいです。

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または固定資産評価額の土地の価格に8/7(七分の八)を乗じても概算値になります。これは固定資産評価額が地価公示価格の70%相当に設定されているのに対して、路線価は地価公示価格の80%相当に設定されているからです。今回のような目的の場合とにかくおおよその金額感をつかむことが大事なので一番簡易な方法が良いと思います。

もし実家不動産の価値が高い場合は「小規模宅地等の特例」を使って、相続評価額を80%減らすことを検討するべきだと思います。土地と建物の相続税評価額が5000万円の場合、1000万円まで評価額を落とすことが出来ます。大きいですね。親名義の住宅を子供が相続する場合、子供が親とその住宅に同居していればこの特例を使えます。また、同居してないくても「相続する子供が直前の3年間自分名義の住宅に住んでいなければ」この特例を使えます。逆に言うとマイホームに住んでるとこの特例は使えなくなってしまうということです。マイホーム購入を検討している人は買う前に実家の評価額調べといた方が良いです。別居でもOKというのがこれからもずっと認められるのかは甚だ疑問ではありますが、こういった動向を把握している人とそうでない人では大きく税金に差が出てきます。該当しそうな人は「小規模宅地等の特例」でぐぐって調べましょう。

実家の評価額が大きい人は税理士等の専門家に依頼することで大きく節約できる可能性もあるようです。↓は近所の図書館で見つけて読んだんですが、具体的な節税と手数料の例が豊富に紹介されていてなかなか参考になりました。相続金額が大きい方、特に不動産での相続が大きい方はコストかけてでも専門家に相談する価値はありそうです。


 
必要な税金はきちんと払うべきですが、節税できるところはしっかり節税しましょう。特にかけがえのない親が遺してくれたものは大事にしたいものです。