レンディングクラブのレンディングを初めて2ヶ月余り、さっそく延滞が発生しました。

7月半ば時点の口座ステータスです。このタイミングでの投資元本$32,500に対して、利子の受け取りが$78.64、、合計すると$32,578.64になるはずなのですが、口座の値は$32,551.30と表示されています。
一方右下にあるNoteのステータス一覧でみると、"In Grace Period"が"2"、”Late 16-30 Days"が"1"となっており、延滞が発生していることがわかります。

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まず”Late 16-30 Days"の方をクリックしてみると、以下の通り6/28支払期日だったローンを滞納しているのが確認できます。なんと、レンディングクラブの借り手で最も信用度が高いとされているグレードAです。
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Statusのところクリックするとローン自体の詳細(投資判断する時に出てくると同じもの)に加えて、このローンに対してのレンディングクラブ回収担当の行動履歴を見ることが出来ます。


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8日以降、毎営業日毎に電話してメッセージを残しているようですが、まだ会話出来ていないようです。電話でろよ、と思いますがひょっとするとすでにトンズラして住所が変更されているかもしれません。米国は日本の住民票登録に相当する仕組みがないので、移転先を見つけるのはなかなか大変なようです。
レンディングクラブでは延滞が発生してある一定を過ぎると借り手が移転してても追っかける手法をもっているような外部の回収専門業者(サービサー)に依頼するらしいので、このまま電話にでないまま延滞が続けばそういったサービサーの手に渡ることになると思われます。

グレードAのなかの5段階では一番低いA5ではありますが、それにしても最初の延滞がグレードAからでるとは正直意外でした。良い教訓になりそうです。「安全そうに見えても常にデフォルトの可能性あり」です。

続いて”Grace Period"の方を確認してみます。支払期日を過ぎて15日間はまだ延滞扱いにならない(延滞料が発生しない)期間としてGrace Period「猶予期間」と呼んでいるようです。

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こちらは両方グレードCです。延滞料が発生しないので、人によっては猶予期間中に支払えば良いと考えているらしく、比較的発生しやすそうです。実は以前も2件発生したんですがいずれも猶予期間の最後には支払いされていました。

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こちらのログでは”Borrower contacted Payment Solutions specialist and promised to pay”とあるのですが、「必ず支払います、と借り手から連絡あり」みたいな感じで少し笑えます。ホント返してくだいさいね。

で、冒頭の口座金額の件ですが、レンディングクラブでは過去の実績に基づいてNoteステータス毎のデフォルト可能性を考慮した口座金額表示が行えるようになっています。
より正確には、「デフォルト」と「償却(Charged-off)」が区別されており、返済される可能性がないNoteの償却した金額の表示が行われます。「償却」はまさに「不良債権償却」という感じですね。
レンディングクラブの定義では

・デフォルト:121日以上支払遅延している状態
・償却:150日以上支払遅延しており、かつ、これ以上支払いを待っても返却される見込みがない状態

例えば150日以上警戒していいても、借り手から信用できる返済計画が提示されていれば償却にはならずデフォルトのままになるようです。

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このグラフは2014年1月・2月・3月のステータスごとに、それぞれ2014年9月・10月・11月の時点で「償却」になったかというデータです。
例えばステータスが1月〜3月にGrace PeriodになっているNoteは9月〜11月までに償却される可能性が25%です。このためGrace PeriodのNoteの元本の25%を仮に償却した数字が口座金額に反映されています。"Late 16-30 days"だと50%が償却されています。

将来的な償却分を除かないで表示することもできるようになっており、その場合$78.64の利子受け取りに対し口座総額は$32,576.30となります。元本と利子の合計より$2.34少ないですが、これがレンディングクラブの手数料だと思われます。

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将来的な償却の可能性を考慮しない数字をみて喜んでいるより、将来的な損失をきちんと提示してくれる表示のほうがより好ましく、ぬか喜びしないように仮償却した数字を基に実績管理を行っていくつもりです。

なぜかデフォルトが発生しない日本のソーシャルレンディングで投資していると忘れがちになりますが、P2Pレンディングでは一定割合のデフォルトが発生するのは避けられません。貸出先分散によるリスク低減効果を期待して、1ローン$25のルールを曲げることなく取り組みます。