米国以外の投資家でもレンディングクラブに口座を開設できるとのことで、レンディングクラブに確認したところごく少数ではあるがすでに日本からの投資家も登録しており、その中には大手の機関投資家もいるとのことです。Wall Street Jornalの記事(日本語です)でも米国の地域銀行やヘッジファンドといった機関投資家がレンディングクラブの債権の買い手になっているとの指摘がされていますが、日本の機関投資家も含まれているようです。

口座を開設するにあたって必要な要件はそれほど多くはありませんが、日本の個人投資家にとってはハードルは低くありません。

最もハードルが高いのが、「最低$100,000USD(1,200万円)投資すること」という点です。レンディングクラブは低コストで個人間の金融仲介を行うことで、借り手、貸し手双方にメリットを提供する事で成長していますが、米国以外の投資家を受け入れるには通常の自動化されている投資家登録システム以外の事務作業が発生するために一定以上のボリュームが見込めないと必要な手数料が稼げない、というのが理由のようです。$100KUSDでも手数料収入は年間$1KUSDなのでこれ以上低いと現状Payしないのでしょう。

それにしてもいきなり$100KUSDというのは分散投資を旨とする者としてはかなりハードルが高いです。今年いっぱいで優遇税制の終わる外貨MMF(USD)やらなぜか放ったらかしにしてるドル現金を集めれば一応クリアできそうではあったのですが、さすがにいきなり$100KUSDは大きすぎです。ダメ元で「$50KUSDじゃダメ?」と交渉してみたところ、「まず$50KUSD(600万円)で初めて、順調であれば初年度が終わるまでに$100KUSDに増やす」という条件で了解してもらいました。それでも最初から600万円ですけどね。

次のハードルは英語でのコミュニケーションです。レンディングクラブにはInvestor Service担当という部署があり投資家向けの各種対応を行っているようなのですが、米国以外の投資家はその部署から担当者がアサインされて口座開設に必要な手続きについてやりとりをするようです。大部分はメールでやりとりできますが、必要に応じて電話での会話することもあります。米国人はメールよりも電話で話すのが好きな人が多いですし(向こうは厚意のつもりなのでしょが)。米国の金融機関と取引するのであれば英語は避けて通れないのでこの点は観念するしかないです。私の場合、多少メールでやりとりした後に口座を開設するかどうかについて電話会話しました。実際の電話は結局15分程度だったのですが、サービス内容等を事前に確認して質問したい点(共同名義と相続について聞いてみました)も事前に準備していたので割とスムーズに進めることが出来ました。
レンディングクラブの投資家向けページを精読して用語に慣れておいたり、一般的な金融用語を英語でなんていうかを確認したりといった準備をしておくと良いと思います。ちなみにこれ↓とか結構良いと思います。アルファベット順ではなくテーマ(株式とか債権とか)ごとにまとめられているので使い勝手が良いです。


もう1点、これは必須かどうか分かりませんが会話の中で米国の銀行に口座を持っているかどうかを確認されました。私はたまたま口座を持っていたので、もしない場合にNGなのかは確認していませんが、もし必須ということであれば三菱UFJグループのユニオンバンクあたりに口座を作るとクリアできるかもしれません。CITIが撤退してしまったので選択肢は多くないですね。

この3点をクリアできれば他はそれほどハードルは高くなく、むしろ海外金融機関としてはハードルが低いと感じました。この点については次回。

外貨資産枠で$100KUSD相当の余裕資金があって、英語のコミュニケーションが苦にならなければなかなか良い投資先かと。