今回はレンディングクラブが確立しているリスク管理手法について見ていきます。

レンディングクラブでは、借り手の債務を$25USD(約3,000円)単位の”Note”という債権に分割して管理しています。ある借り手への融資合計が$1,000USDであればNoteが40個できるということです。 投資家はNote単位で投資を行えるようになっており、特定の借り手の債務をまるまる保有するのではなく複数の借り手のNoteを保有することで特定の借り手のデフォルトリスクを抑えることができます。

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例えば借り手A,B,C,D,E,F,G,H,I,Jがそれぞれ$2,500USD借りる場合、A〜JのNoteがそれぞれ10個ずつできることになります。投資家はA〜JのNoteをそれぞれ1個ずつ保有すれば、投資額は$2,500USDで投資先を10箇所に分散できます。万一Aがデフォルトを起こしても、残りのB〜Jが利率10%以上で返済すれば元本を確保することができます。同じ$2,500USDを特定のAやBに投資するのと比べるとそのリスク分散の違いは一目瞭然です。

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こちらはレンディングクラブのサイトで確認できるデータです。保有Note数が200以上(投資額で$5,000USD、約60万円)になるとリターンが安定していくことが確認できます。90th Percentileは対象が100個ある場合の90個目の値、10th Percentileは10個目の値、Medianは中間値(50個目)です。Note数が200を超えるといずれも5%〜10%の間で推移しています。

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これもレンディングクラブのサイトから。Note数が100を超えた場合(つまり投資額$25USD✕100=$2,500USD(約30万円)以上の場合)、理論上99%以上の確度でリターンがプラスになるとのことです(真ん中と右の棒グラフ)。一方Note数が100以下の場合は、リターンがマイナスになる確率がぐっとあがります。このデータにはデフォルト率の想定数の記載がないので、なぜこういう値になるのかはうまく理解できません。

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こちらは時間経過とのリターンの実績を表すグラフ。時間が経過するにつれて(グラフの右側に移るにつれて)上下のバラつき(リターンのブレ)が減っている様子が確認できます。

また、保有しているNoteを換金化できるセカンダリーマーケット(Folio Investing)も整備されています。これがあればある程度は流動性リスクもおさえられます。ただし、レンディングクラブの担当者いわく現状海外の投資家は利用できなさそうです。残念。

実際の投資にあたっては、A〜Gのグレードが割り当てられているNoteを自分で選択していくことで投資グレードの分散もできます。全部AのNoteを購入したり、全部GのNoteを購入するという極端なやり方もできますが、A:25%、B:50%、C:25%みたいな混合もできるということです。いいですね~。

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債権をNoteという小さい単位に分割することで、分散投資し易い環境を構築している点は素晴らしいアイデアだと思います。多分、CDO等の証券化商品あたりが元ネタだとは思いますが、投資家自身がグレードを選択して個別に選択できるプラットフォームを提供している点は素晴らしいです。「抱き合わせ」の中身を自分で決めれるんですからね。また、借り手、貸し手共にスケールがないとこの仕組はうまく回らないので、先行者利益が大きそうです。レンディングクラブ弱小株主としても納得の仕組みです。

レンディングクラブの期待利回りやリスク管理手法は十分期待値を上回っています。課題は為替リスクですが、これはもともと外貨資産枠として確保している範囲を割り当てることで個人的にはクリアできます。特に今年は外貨MMFの優遇税制最後の年なので、その資金をスライドさせるのにちょうど良さそうです。
残る課題は税金です。どういう扱いになるのか不明瞭ですが、こちらは事前に確認するのが難しそうなので来年の申告時に要確認です。多分海外口座の配当と同じく雑所得なのかなぁ。

ということで投資する価値は十分ありそうなので、実際に口座開設手続きを進めることにしました。何といってもブログタイトルが「実践ソーシャルレンディング」ですので。

※今回の内容は日本国内のソーシャルレンディング投資方針にも参考にできそうです。