桜が咲き始めました。一年で一番いい時期ですね。
桜

昨年10月末に突然日銀の追加金融緩和、いわゆる黒田バズーカ2が発動されて以降、為替レートはそれまでの1ドル110円から120円近辺にレンジを移して推移しています。ドル資産を保有していた投資家は突然円換算で9%程度のボーナスを得ることが出来ました。ありがたや。
1ドル120円というと、40代以上の1ドル200円台の時期を経験している世代にはまだまだ円安になってもおかしくない気もします。40代半ばの私も1ドル300円台の記憶が残っているので120円と聞いても一向に円安な気がしません。一方で85年のプラザ合意で1ドル150円以降しか経験していない20代、30代にとっては、感じ方は違うのではないでしょうか。実際のところ、現在のドル円レートはどの程度の円安あるいは円高の位置なのでしょうか。

日本銀行は「時系列統計データ検索サイト」で各種の統計データを提供していますが、そのうちの一つにドル円の為替レートの推移があります。「主要指標グラフ」の「為替」アイコンをクリックすると1980年頃からの為替レートの推移を確認できます。このページでは名目上の為替レートの推移(赤線グラフ)に加えて、実質的な2国間の相対的な通貨の実力を表す実効為替レートの推移(青線グラフ)を確認できます。
為替
このデータを見ると、青線グラフが1980年以降最低の値になっていることが確認できます。80年というとプラザ合意の前は1ドル250円近辺で推移していますが、その時よりも円安になっているということです。実際現状のレートは、日本が変動為替制に移行した1973年以降最も円安になっています。背景としては景気回復が進み年内の利上げが予想されている米国と、デフレ対策で追加金融緩和が進む日本の金融政策の違いがあると思いますが、それ以上に日本の国力低下がありそうです。
先ほどの日銀の統計データサイトでは国際収支の推移が確認できます。
国際収支
紫っぽい色(2つあります):第一次・第二次所得収支、いわゆる資本収支(海外債権の配当や利子の受け取り)
黄色:貿易収支
水色:サービス収支
赤線:経常収支
よく知られている通り2011年以降原発停止により原油輸入が拡大し貿易収支が赤字に転換、それに伴い経常収支が減少、ゼロへと近づいています。経常収支が減少するということは円の需要がへることにつながりますので、実需面での円安要因につなます(外貨を円に交換する必要が減ります)。今後の経常収支を考えると原油安や円安効果により貿易収支がどの程度改善するのかがキーになりそうですが、いずれにしろ昨年までと比べて改善の方向にあるのではないでしょうか。

実効為替レートで見て歴史的に円安水準にあり、かつ今後経常収支が改善するという状況をみると、中期的にはさらなる円安に進むよりも、円高に戻す方が可能性がありそうに思えます。米国のインフレと日本のインフレの差も実質金利に関係するので影響してくると思いますが、こちらも日本の方がインフレ率が低く円高要因になりそうです。
一方で、足元では年内の米国の利上げが想定されており相対的に実質金利が高くなる見込みなので、短期的には円安要因になりそうです。

長期投資家にとっては、短期・中期よりも長期の為替変動が重要になりますが、日本の状況だけでなく相手国の状況も影響しますのではっきりいって10年−20年先の為替を予測することは不可能です。どうなるか分からない時は資産を分散してリスク分散するしかありません。ただ為替の変動に合わせて定期的に(例えば年1回とか半年に1回とか)アロケーションの見直しをするのは有効だと思います。

私の場合、昨年時点で資産全体における外貨比率が40%近かったのですが、実効為替レートの状況と経常収支改善期待を踏まえて今年に入ってからいったん30%近くまで落としました。ただ、そこまで日本の将来に楽観的にもなれないので、タイミングをはかって再度40%程度まで引き上げようと思っています。今年後半から来年にかけてユーロが最安値圏内になりそうなので、今後はそちらの資産を追加していくつもりです。ギリシャの件が落ち着くようであればユーロ建てのCoCo債とかいいかもしれないな、と思ったりしています。ギリシアが落ち着かないと恐くて手が出ませんが。
クラウドクレジットが欧州商品を進めているそうなので、こちらはぜひ投資したいと思っています。為替ヘッジなし希望です。遅くとも年内には出して欲しいですね。