ちょっと前の日本クラウド証券株式会社の経営陣についてとりあげた記事の続きです。もうちょっと早く記事にしようと思ってたのですが、いろいろあって間があいてしまいました。

我々投資家が「クラウドバンク」のサービス窓口としてやりとりしているのは「日本クラウド証券株式会社」ですが、前述の記事で触れたとおり持株会社制度への移行を目的として「クラウドバンク株式会社」が設立されています。本件のより詳細な情報は有価証券届出書として公開されています。

昨年このクラウドバンク株式会社が昨年新株発行を伴う増資を行っています。新規発行株数は1800株、1株あたり25万円なので募集金額は最大で4億5千万円になります。最低申し込株数が20株なので、500万円からの出資になります。こちらも有価証券届出書が公開されていますので詳細が確認できます(なお募集期間は既に終了しています)。
特定企業からの大口出資を受けているのか、小口の集積での資金を集めているのか。小口集積の場合最大で90名分です。どうなったか興味がありますが応募結果については現状公開されていません。

届出書に増資で得る資金の使用用途が明確に記載されています。
クラウドバンク
一番の目的はシステム改修費用の調達とのことです。約1億5千万円で、うち新規システム向けに1億円強が割り振られています。

昨年大前社長に話を伺った際に、現状システムの課題についてもお話されていました。現在のクラウドバンクのシステムはグリーンシート事業で使用していたシステムを拡張する形態で開発しているために柔軟性や拡張性に欠けるところがあるとのことでした。その際の話では今春くらいを目処にシステム更改をめざしているとの話でしたが、届出書上は今年6月が目処になっているようです。
確かに同じ場で同席されていた他のユーザの方はシステムの使い勝手に関していろいろご意見をお持ちでした。私自身は企業の情報公開姿勢や経営状況は気になりますが、システムの使い勝手はあまり気にならないです。ただ昨今の状況からセキュリティ周りの強化は必須だと思っており、届出書の記載を見るとその強化も意識されているようです。この点は素直に評価できると思います。

なお、この募集で実際にどれだけの資金が集まったのかは現状不明なので使用用途リストのどこまで手が付けられているのはかは分かりません。集まった金額に応じてリストの上から順番に手をつけていくようなので、「システム費用」→「貸付・債権取得原資」→「広告宣伝費」→「人件費その他の運転資金」の順で実施されるとのことです。

6月には2014年度分の有価証券報告書が出ると思いますので、遅くともそこでは増資の結果は判明するかと思います。