実践ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングを中心に資産運用全般について。分散投資でリスクを抑えながら、インカムゲインとキャピタルゲインを目指します。

2016年06月

クラウドバンクの大前社長が退任へ

6月中旬にクラウドバンクから株主総会の招集通知が届いたのですが、今年は招集通知に加えて「株主通信」という小冊子が同封されていました。上場企業の株主総会招集通知でも「株主通信」「株主レポート」等の名称でA5サイズの冊子が同梱されているケースがありあすが、まさにあのイメージです。カラー14ページで事業概況、決算状況、昨年の行政処分への対応やQ&Aまでカバーされており、そこそこ読み応えがある内容になっていました。クラウドバンク事業の損益分岐の考え方や行政処分移行の具体的な改善内容など、いくつかのトピックスはレンダーとして投資している方にとっても有用な情報だと思いますので、できれば今後内容を紹介したいたいと思っています。
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6月末に実施される株主総会の決議事項で一番大きなトピックスは取締役の選任です。
ホールディング企業であるクラウドバンク株式会社の現在の取締役構成は、
代表取締役社長 大前和徳氏
取締役 金田創氏
取締役(社外) 川戸淳一郎氏
という3名の構成になっています。3名の取締役は今年の株主総会を持って任期満了となり新たに任命されることになるのですが、今回議案として提案されている新しい取締役構成は以下の通りです。
代表取締役社長 金田創氏
取締役 橋村純氏
取締役(社外) 川戸淳一郎氏
代表取締役が大前氏から金田氏へ変更、大前氏は退任し新任の取締役として橋村氏が着任するという構想です。

まず大前氏の退任について。
前述の株主通信の冒頭に「株主の皆様へ」と題した大前氏からのエグゼクティブサマリー的な報告の中で自身の退任について触れられていました。
なお、私は、行政処分とそれに伴う業績不振の責任を明確化するため、この度取締役としての任期満了を迎える事を機に、後進に路を譲るべく、当社及び主要子会社の日本クラウド証券株式会社の代表取締役を退任することといたしました。
昨年の行政処分およびそれに伴う業績不振の引責辞任ということです。クラウドバンクの業績については2015年度有価証券報告書が金融庁へ提出された時点で取り上げたいと思いますが、4ヶ月の営業停止に伴う売上の減少および再発防止に係る体制強化に相応の費用計上のため2015年度は赤字決算だったとのことです。この赤字による資本減少を補うために2016年4月に増資が実施されたことが併せて記載されています(このため株主構成に変更がありますがこの点も別途ということで)。
取締役退任後の大前氏の処遇については特段触れられていませんので、おそらくクラウドバンクは離れることになるのだと思います。

新規に代表取締役社長に就任予定の金田氏については、昨年の記事「クラウドバンク株式会社 第一期有価証券報告書(3)ー大株主の状況&出縄氏の現在ー 」で取り上げた通り、創業時点のオーナであった出縄氏に代わって既に実効上の最大議決権を保有する立場になっていましたので、今回の変更で名実ともに金田体制へ移行することになります。

もう一人の取締役(新任)である橋村氏については、昨年8月からクラウドバンク事業の主体である日本クラウド証券株式会社の取締役に就任していますので、大前氏の代表取締役退任にあわせて橋村氏が代表取締役に着任する可能性もありそうです。ただ、まだ30歳位で相当若いので、もし代表に着任しても、実施的にはホールディングの代表である金田氏の意向が主体になると思いますが。橋村氏の経歴の詳細は有価証券報告書に記載されることになると思いますが、エネルギー関係投資やM&A案件を扱っていたバックグラウンドあるようです。昨年末にクラウドバンクが募集再開を行っていこうの案件に自然エネルギー関連ファンドや事業再生ファンド等のバラエティが増えた背景に、橋村氏が着任したことによる影響ではないかと思われます。

今後のクラウドバンクに関しては、創業時の「オーナー出縄氏+ 経営トップ大前氏」の体制から「オーナー兼経営トップ金田氏」という構造へと変わることになります。
創業時から業績拡大を牽引し、多くのメディアにもクラウドバンクの顔として露出してきた大前氏にはその実績に敬意を表したいと思います。次は何されるんでしょうか? 今後のご活躍も期待しております。

クラウドクレジットの「欧州3か国個人向けローンファンド 運用報告会」に参加しました(3)

欧州ファンドはエストニア、フィンランド、スペインの3カ国の債務者へ貸付を行っていますが、リスクタイプごとの債務者の居住国について報告がありました。これがまた一目瞭然で大きな特徴があり、今後の投資判断に参考になりそうです。
実質的にリスク低減型はエストニアの債務者、ハイイールド型はスペインの債務者に貸し付けるファンドになっていますね。バランス型はエストニアとフィンランドが半々という感じです。
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ちなみに国別の視点で見ると
エストニア:リスク低減型とバランス型のみでハイイールド型はほとんどなし
スペイン:ハイイールド型とバランス型のみで、リスク低減型にはゼロ
フィンランド:バランス型がメインだがリスク低減型とハイイールド型にもそれなりにあり
となかなか面白い傾向です。この辺りの背景は何があるのか興味ありますね。

最後にQ&Aがあり、いろいろ質問が出ていましたが個人的に重要だと思った点について記載しておきます。

ハイイールド型ファンドで3号、4号みたいに分かれているが、投資家から見れば結局同じファンドに貸し付けているため、2号だろうが3号だろうが4号だろうが同一期間のパフォーマンスは共有することになる。ただし、ハイイールド型とリスク低減型とバランス型はそれぞれ別のファンドになっているため、パフォーマンスはそれぞれ別になる。

ペルーファンドでもそうでしたが、1号に始まり2号、3号と追加されていくに従ってより多くの投資資金が累積される仕組みになっているため、貸付先の分散効果もどんどん大きくなっていくことになります。欧州ファンドに投資する人が増えれば私の保有している欧州ファンドの分散効果も高まるということです。皆さん、ぜひ投資してください。

当初より期待利回りが上回った場合であっても投資家への追加の還元はない。上回った場合、将来期待利回りが想定を下回った場合の支払いにあてるための資金としてプールする。

現状、予定を上回って運用されているため、今後の追加募集で投資する投資家はある程度の資金がプールされた状況に参加できるということですね。

実際、投資家が匿名組合に出資すると、匿名組合からエストニアのクラウドクレジット子会社へ決まった金利で貸付を行う仕組みになっているため約束した金利を越えて支払うことは難しそうです。ある程度安定的な配当を行う上では必要な仕組みであることは理解できますが、これとは別に運用結果にダイレクトに連動するようなファンドも検討してもらえると良いですね。

個人でレンディングクラブへ投資を行っていますが、再投資のためにほぼ毎日アクセスが必要(結構面倒くさいです)なのと比べると、クラウドクレジットの欧州ファンドではそれらの手続きを完全に委託できるのが良い点です。一方で個人でやれば細かい貸付先の条件設定まで行えるのに対して、欧州ファンドはおおまかなリスク傾向しか指定できないのは弱いところです。ただ、総合的に見れば明らかに利点が上回っていると思っています。

クラウドクレジットの運用報告会に参加するとファンドの理解が深まるので良いです。サイトにもデータを上げて欲しいというリクエストも出ていましたが、データの意味を誤解無いようきちんと説明した上で提示したいという会社側の意見も理解できます。かといって報告会の頻度上げていくには会場のコストもかかるでしょうから、WebExのようなものでネット経由で説明会を実施するのはどうでしょう。参加者の地理的な制約もなくせますし。
例えば3ヶ月毎にWebExで報告会を実施、年1回だけオンサイトでの報告会(できれば複数ファンドまとめて実施)とかにしてもらえると良いかも。関係者の皆様、もしご覧になっておられたらぜひご検討下さい。


 

クラウドクレジットの「欧州3か国個人向けローンファンド 運用報告会」に参加しました(2)

杉山社長の会社概要のアップデート後、欧州ファンドについての紹介と提携先のBondraの紹介がありました。この辺りは既知の内容が中心でしたので割愛します。

その後メインとなる運用状況報告が実施されました。
まずは、ファンドのリスクタイプ毎の想定される貸付金利、貸倒れ率および利回りについて再度説明がありました。
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例えばハイイールド型の場合、平均の貸付金利は57.6%、貸倒れ率は42.6%と想定されています。この場合、ネットでの期待利回りは15%となり、クラウドクレジットが2%を手数料として徴収、投資家への最終利回りは13%となります。貸付金利が想定より高かったり、貸倒れ率が想定より低い場合は、期待利回りを上回るリターンがあがりますが、逆に貸付金利が想定より低かったり、貸倒れ率が想定より高い場合は期待リターンを下回ることになります。リターンが想定より上回ったり下回った場合にどういう扱いになるかは後ほど触れます。

今回の報告会では、個別の平均貸付金利、現状のBondora推計リターン及びクラウドクレジット推計リターン(当社推計)について報告がありました。「Bondora推計」は既にデフォルトしているものを除いた値、「当社推計」はすでにデフォルトしているものに加え、過去のデータから今後発生するであると見込まれるデフォルトの値も考慮した値になっているようです。「当社推計」の詳細の計算方法は提示がありませんでしたので、どの程度の精度が期待できるのかは判断がしづらいところです。提示されているデータだけで判断するとちょっと甘目の設定になっているのではないか(将来的にもっとリターンは下がるのではないか)というのが率直な感想になります。強い根拠はありませんが。

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ハイイールド型で見てみると
貸付金利:想定57.6%に対し現状57.6%
当社推計:想定15%に対し現状19%
(記載されていませんが上の値から貸倒れ率:想定42.6%に対し現状38.6%となります)
となっています。
今回の報告では、リスク低減型(想定13.5%に対して14.4%)、バランス型(想定13.5%に対して19.9%)、ハイイールド型(想定15%に対し9%)、現状はいずれも想定を上回る結果になっていることが報告されました。

続いて、ポートフォリオの分散状況について紹介がありました。分散度合いで見るとハイイールド型が最も分散されていて、平均的な1件の貸付がポートフォリオに占める割合はわずか0.09%です。最も分散が少ないリスク低減型でも0.27%なのでいずれのタイプも分散効果は期待できそうです。
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実際に、分散効果を示すデータとしてBondora全体での投資家のリターンの分布と、1万ユーロ以上の投資家のリターンの分布図が提示されました。1万ユーロ以上の投資家の場合、貸付対象が相応に分散されているだろうと想定されます。グリーンになっているところが欧州ファンドのリターンと同じとこです。
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(Bondora全投資家のリターン分布)
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(Bondora1万ユーロ以上の投資家のリターン分布)
このグラフから1万ユーロ以上の場合(つまり分散されている場合)、リターンのバラつきが小さくなり、かつマイナスのリターンがほとんどなくなっていることが確認できます。この辺りの分散効果を示すデータはレンディングクラブでも提示されており、同じ傾向が確認できます。1万ユーロ以上のグラフでみると、一見欧州ファンドのパフォーマンスが平均より若干下になっているように感じます。おそらくこれは欧州ファンドは「当社推計」の値なのに対して他のデータは「Bondora推計」のデータを使っているからではないかと想像されます。欧州ファンドも「Bondora推計」だと15%以上と20%以上になりますね。
パフォーマンスに関しては現状まずまずの状況だと思います。

 
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