実践ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングを中心に資産運用全般について。分散投資でリスクを抑えながら、インカムゲインとキャピタルゲインを目指します。

2016年02月

不動産に偏るリスクを考える ー「不動産担保+不動産開発業者」+「運営企業(あるいは親会社)が不動産事業」ー

今回感じたのは、ソーシャルレンディング運営企業あるいはその親会社が不動産事業主体の場合は不動産市況変動の影響が大きく、「不動産担保+不動産開発業者」+「運営企業(あるいは親会社)が不動産事業」の組み合わせ案件は、単なる「不動産担保+不動産開発業者」の組み合わせ案件よりも不動産市況悪化時の影響がより大きくなる可能性が高そうだということです。

ソーシャルレンディング事業自体は手数料徴収で稼ぐビジネスモデルであり、不動産関連商品のリスクはすべて投資家へ添加されているので運営企業は個々の貸出商品のリスクを背負いません。つまり「不動産担保+不動産開発業者」商品を扱う運営企業の場合は不動産市況の悪化の影響は、あくまでも業績への影響(例えば、貸倒れの発生により新規投資を集めにくくなる、等)に留まり、運営企業の財務状況が直接的に影響をうけるわけではありません。ただし、商品としての「不動産担保+不動産開発業者」の課題がなくなるわけではなくそれはそのまま残っています。

一方で「不動産担保+不動産開発業者」商品を扱う運営企業(あるいは親会社)が不動産事業者(特にバランスシートに取り扱い不動産を資産計上する類の事業)の場合、不動産市況の変調はより深刻な影響をあたえることが想定されます。ソーシャルレンディング事業自体の影響は先程のケースと同じですが、それに加えて運営企業あるいは親会社自身が不動産市況の変調の影響を受けて財務的なダメージを被る可能性があります。高値で仕入れた不動産が資産計上された状態で、市況悪化で価格が大幅下落すると減資等の処理が必要で、程度に寄っては債務超過に陥るのを防ぐための増資等の対策が必要になります。前回見た通り、上場企業であっても急速に悪化して破綻する企業も少なくなさそうです。未上場であればよりシビアになるでしょう。
これまでに何度も触れているようにソーシャルレンディング投資の場合、ソーシャルレンディング運営企業や運営企業を実質的に支配している親会社が破綻した場合、元本が毀損される事態が想定されます。もし、運営企業あるいは親会社が破綻してしまえば、「不動産担保+不動産開発業者」商品の貸出先である不動産開発業者が破綻しなくとも、元本毀損の可能性が大きそうです。万一運営会社も貸出先の不動産開発業者も両方破綻してしまえば、元本はほとんど回収できない事態もありえるのではないでしょうか。そう考えると、貸出先と運営企業の業種が重なっている場合、特に市況悪化時の影響が甚大になりがちな不動産業界で重なっている場合は相当な注意が必要だと思います。

もっとも不動産といってもいろいろなビジネスモデルがあるので、市況が悪化した場合の影響も差が大きいと思います。自身では不動産を保有せず売買仲介や管理に特化しているようなケースであれば市況悪化の影響は純粋な業績への影響に留まります。一方で自社で不動産を買い付けて転売するようなモデルであれば買い付けた資産はバランスシートに計上されますので、高値で掴んだ資産が市況悪化時にバランスシートに大きな影響を与えるおそれがあります。大きく投資するのであれば、運営会社あるいは親会社のビジネスモデルとバランスシートにリスク資産が計上されているかのチェックは必須だと思います。難しければ一つの運営企業に投資する上限枠を無理のない範囲に設定して、企業や商品の分散を行う事が肝要です。

不動産は難しいですね。 

不動産に偏るリスクを考える ー2000年代の上場企業倒産履歴ー

今回の記事は今年始めころに書いていたのものです。昨年後半くらいから不動産市況のリスクに関する記事を見かけることが多かったこともあり、自分なりに前回の不動産市況の崩壊時の影響について調べておこうと思ってまとめていました。
ところがアップする前にマイナス金利導入が発表され、そのプラス効果として不動産市況への下支えが見込まれるという論調が増えてきましたので、今回の記事はお蔵入りかなと思っていました。

2月20日の日経新聞のマーケット総合面で「堅調REITくすぶる懸念 オフィス市況に悪化の兆し」という記事が掲載されていました。
気になる数字がある。オフィス仲介の三幸エステート(東京・中央)によると、築10年以内と築年数の浅いオフィスビルの空室率が1月に上昇した。「築浅の物件は賃料が相対的に高く、景気変動に敏感」(今関豊和チーフアナリスト)という。不動産ミニバブルの07年時も、この空室率が上昇した後、市況が悪化した。今回もオフィス市況の潮目の変化を示している可能性がある。(中略)オフィス市況そのものが悪化するリスクが出始めている。
(2016年2月20日 日本経済新聞17面「堅調REITくすぶる懸念 オフィス市況に悪化の兆し」より抜粋)
そもそも築浅オフィスビルの空室率が本当に不動産市況の先行指数として有効なのかどうかと言った点に疑問はありますが、この記事の根拠としている空室率のデータは1月のものでその後のマイナス金利の導入で今後のデータが改善されるのかどうかという点は正直気になります。「楽観しすぎるな」という警句を発してくれていると捉えれば確かに一定の価値はありますので、それであれば今回の記事もアップしておいても良いかなと思い直すことにしました。

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以前「不動産担保+不動産開発業者」への投資の課題について記事を書きました(ソーシャルレンディング投資のリスク管理は難しい(2)ー期限付き不動産ファンドの難しさー)。個人的に現物不動産に投資しているので、これ以上の不動産資産への偏りについて警戒しているという面がありますが、それ以外にも気になっているところがあります。以前も記事にしましたが、ソーシャルレンディング商品の中でも不動産関係に出資が偏っている場合は市況が悪化した際の影響が甚大になる可能性が高いのではないかと考えています。実際に市況が悪化した2008年の上場企業の倒産データを見ると、これが単なる杞憂ではない可能性が感じられます。

日本で前回の不動産ミニバブルがはじけたの2008年〜2009年と言われていますが、帝国データバンクが2009年4月に「2008 年度上場企業倒産の動向調査」に関するレポートをリリースしています。以下、主なポイントを引用します(太字強調個所は筆者)。

2008 年度は、米国発の金融危機や国内不動産市場の急減速を背景に、上場企業の倒産が多発し た。 
業種別では不動産関連が 23 件と過半数を占め、倒産主因別では販売不振がトップ
倒産前の直近本決算における当期純損益(単体)の状況をみると、黒字が 21 件(構成比 46.7%)に対し、赤字が 24 件(同 53.3%)となり、「黒字倒産」が全体の半数近くであることが わかった。 当期純利益額のトップは、㈱アーバンコーポレイションの 310 億 9200 万円(2008 年 3 月期)。 ㈱モリモトの 102 億 4300 万円(同期)、㈱スルガコーポレーションの 78 億 7500 万円(同期)、日 本綜合地所㈱の 61 億 8500 万円(同期)、㈱クリード の 51 億 7000 万円(2008 年 5 月期)、㈱ノエルの 16 億 2600 万円(2007 年 8 月期)、ランドコム㈱の 15 億 9100 万円(2007 年 12 月期)が続いた。このように、 上位 7 位を不動産業者が独占しており、直近決算まで 好調だった売上状況とあわせみると、同業界を取り巻 く事業環境の急変ぶりが見て取れる。 

直前まで好調だった企業が一気に倒産していった様子が伺えます。もっともこの情報だけだと、不動産業界が他の業種と比べて特に市況の変化に弱いのかどうかという判断はできません。ただ、少なくとも不動産業界は直前の決算が好調でも市況の悪化で突然倒産するリスクが潜んでいることは確かだといえそうです。市況が好調であれば積極的に事業を進めることで大きな利益を得られる可能性がある一方で、反転すると一気に資産の不良化が進んでしまうという不動産業界の構造が見て取れます。


他にも2000年度〜2009年度に倒産した上場企業を調べると興味深い内容が見て取れます。参考にしたサイトはこちらです。
  • 全倒産件数144件中、上位3業種は、不動産(29件)、ゼネコン(21件)、製造(21件)
  • 不動産業界の倒産は2008年(16件)2009年(10件)に大きく偏っており、他には2001年(1件)と2003年(2件)だけでそれ以外の年は発生していない
  • ちなみに同じ10年で貸金業の倒産は2件、消費者金融は1件
不動産企業に関連する投資は、通常時は良い投資なのに市況が反転すると突然悪化する可能性がある、というのは改めて意識しておきたいところです。現在特に都心では不動産ミニバブル再来と言われている状況ですが、万一反転した場合それなりに影響がでてくることになるのでしょう。特にソーシャルレンディングの場合は流動性がほぼ皆無なので自分の引き上げたいタイミングで引き上げることができません。回収時期が1年以上先になっているような商品はそれなりにリスクを抱えていることを意識して、特定の商品に大きく投資するよりも、回収時期や投資先を分散した投資を行うことがリスクを管理する上で重要だと思います。

今回の内容を受けて考えるところがありました。その内容は次回。


確定申告続き ーキャッシュバックとレンディングクラブの収入ー

確定申告シーズンです。皆さん終わりました?

相変わらず検索が多いのでもう1回リンク貼っときます。
ソーシャルレンディングの確定申告(1)

ソーシャルレンディングの確定申告(2)
ソーシャルレンディングの確定申告(3)

前回の記事作成時にはmaneoとクラウドバンクの支払調書しかありませんでしたが、その後残りの企業分も入手出来ました。一番最後はSBIソーシャルレンディングだったのですが、支払調書をみて思ったよりキャッシュバックを受けていたことに気づきました。
税金10
年間の配当が66,962円でそこから13,629円が源泉徴収されています。それに加えてキャッシュバックとして13,000円が支払われていますがこちらは源泉徴収されていません。
キャッシュバックは雑所得ではなく一時所得として処理できる点が大きな優位点ですが、昨年の確定申告ではまだキャッシュバックの適用がなかったため今回の確定申告で初めて利点を実感することになりました(キャッシュバックの税金上の扱いについてはこちらの記事を参照ください)。課税所得に応じてざっくり2,000円〜7,000円の節約ですね。他の企業にも継続的にキャッシュバックを活用するようにしてもらえるとうれしいです。


前回の記事時点で不明だったレンディングクラブの配当・利子収入について税務署の税務相談で確認を行いました。今後レンディングクラブでレンディングされる方の参考にアップしておきます。
2月12日から近隣で申告書作成会場が開設されたのですが、12日は祝日と土曜日の間といこともあって通常よりも仕事の予定が少なく午後早めのアポが終わったら予定終了だったので初日に早速行ってきました。15時過ぎくらいに到着したのですが、多くの人が待っており受付で「1時間か1時間半お待ちいただきます」と宣告されました。まぁある程度覚悟していた範囲です。順番になって税務署の職員の方にレンディングクラブの仕組みを説明して、以下の2点について質問しました。
・レンディングクラブの収入はどの所得分類にあてはまるのか
・為替レートはどれを使えばよいのか
(毎営業日毎に元本と利子支払いが発生しており、そこから利子の部分だけ抜き出して当日の為替で計算するのはとても現実的にはやってられない作業)

やはりすぐに特定はできず他の職員にも相談されて、最終的には以下の内容で回答して頂きました。
・レンディングクラブの収入はどの所得分類にあてはまるのか → 雑所得
・為替レートはどれを使えばよいのか → 年間平均TTB

所得分類は予想通り、為替レートは理にかなってるけど実際どこで入手できるの?と思いましたが、「UFJ銀行だとあるんではないか?」ということなので調べてみると確かにありました。実際はグループ企業の三菱UFJリサーチ&コンサルティングのサイトに為替レートの「前年の年末・年間平均」が掲載されています。ちなみに2015年の年平均TTBは120.05円でした。
 
不明だったレンディングクラブの扱いがクリアになったので準備はおおよそ終わり、後は不動産収支内訳書の作成を残すのみとなりました。これがまた面倒なんですけど。なんとか今年も期限までには手続きを終わらせそうです。


 
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