実践ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングを中心に資産運用全般について。分散投資でリスクを抑えながら、インカムゲインとキャピタルゲインを目指します。

2015年06月

クラウドバンクの株主総会招集通知が届きました

以前記事にしたとおり、昨年実施されたクラウドバンク株式会社の公募増資に応募しクラウドバンク株式会社の株主になりました(参照:クラウドバンクの株主になりました)。クラウドバンク株式会社はクラウドバンクを運営する日本クラウド証券株式会社を保有する持株会社にあたります。
「株主総会とか参加できるのかな?」と思ってたんですが、6月初旬にクラウドバンクから株主総会招集通知が届きました。実際のところ「未上場企業の株主総会って関係者がちょっと集まって話し合う、みたいなイメージだけどそんなところに参加できるんだろうか?」と思ってたので、上場企業の通知と同じ封書スタイルで届いた時は「へー、思ってたよりちゃんとやってるんだ」と軽く感嘆しました。

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私が株を保有している企業の株主名簿管理人は三菱UFJ信託銀行や三井住友信託銀行ばっかりなんですが、クラウドバンクは日本証券代行のようです。日本証券代行はクラウドバンクの株主なので当たり前といえば当たり前ですね。

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封筒の内容も上場企業の株主総会招集通知と同等の内容でした。思ってた以上にちゃんとしてます。6月の某日に都内某所で開催予定。通知書の内容もひと通り目を通しました。こういうのをどこまで公開していいのか良くわからないので内容に触れるのはとりあえず控えておきます。

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議決権行使書も良く見るヤツと同じです。ちゃんと目隠し用のシールも同梱されていました。

今のところ参加できそうな日程なので参加してみようと思っています。

LendIt 2015(2)ー世界のオンラインレンディングサービスー

LendItのセッションで、オンラインレンディングのセグメント、地域ごとの主要企業を紹介しているものがありました。参考までに紹介します。

◯Consumer:消費者向けローン

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やはりLending Clubが筆頭ですが、Prosperも有名ですね。SoFiは学生向けローンで伸びている会社です。

日本でも奨学金返済問題が取り上げられることが増えていますが、米国でも結構問題になっているようです。オバマ大統領が格差是正でカレッジの無償化を目指していますが、もし実現するとSoFiのビジネスには影響があるかもしれません。来年の大統領選挙で民主が勝つと実現されるかもしれないですね。

ちなみにSoFiに投資家として参加するにはSECにAccredited Investorsとして登録されている必要があるようです。「金持ち父さん〜」でロバート・キヨサキ氏が「適格投資家」とい名称で触れてたと思いますが、資産が$1M(1億2000万円)以上あるか、年収が$200K(2500万円)という条件に合致する必要があります。そもそも米国非居住者が登録可能なのかはわかりません。SoFiへの投資は当面無理っぽいですね。

ボリュームに関しては今年$20Billionと予測されています。2.5兆円くらいです。すごいですね。運営企業の平均手数料を4%としてもこれだけで業界として1000億円の売上です。過去の累積分入れると倍程度になりそうですね。


◯Small Business:中小企業向けローン

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OnDeckが最大手で、昨年12月にレンディングクラブと前後してIPOしています。ビジネスモデルが日本のソーシャルレンディングと大きく違いますので、一度記事にまとめてみようかな、と考えています。

規模的にはCosumerの半分強で推移しています。「中小企業」と書いてますが、米国の場合は企業よりも個人事業主の利用を主要なターゲットとしている感じが強いです。「maneoの虎」とかに近いイメージでしょうか。


◯Real Estate:不動産/住宅ローン


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これからホットになりそうなスペースで、ベンチャーがしのぎを削っているところのようです。

バーゼルIIIで国債に加えて住宅ローンのリスク比率を高める議論が行われていますが、もしその方向で規制がかかれば大手銀行は住宅ローンの供給を絞ることになると思われますので、これからニーズがより増えてきそうなマーケットです。面白そうなのでちょっと調べてみようかな。


◯UK:英国の状況


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Zopaが有名ですが、取り扱いではRateSetterrがトップです。といってもFunding Circleを加えた3社は拮抗しています。
2015年で$4.4B、5000億円くらい、まずまずの規模です。


◯Chica:中国の状況


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オドロイタのが中国です。1500以上のサービスがあり、昨年1年間で$40B以上、5000億円弱の実績があるとのこと。中国だから国外からの投資は規制されてそうですね。まぁ、そもそもあの国に投資しようとは思えませんが・・・ホント普通に踏み倒しそう・・・


◯The Rest of the World:米国、英国、中国以外の状況


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いろいろありますね。当然のことながら既知だったのはクラウドクレジットが「欧州3カ国ファンド」で扱うBondoraだけです。
一見「eLoan」が日本のeLoanかと思ったのですが、ロゴが違います。ネットで調べてみると同じeLoanでもこちらでした。イスラエル!ヘブライ語ですよ、何書いてるか全く読めない。
しかし日本の企業が一社もないというのも悲しいもんです。


◯Cross Borders:他国へ進出している企業


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世界のソーシャルレンディング企業は、国境を超えて進出を始めています。やはり米国や英国からの越境が多いですが、Ldnddoのようにフィリピンからコロンビア・メキシコへ進出しているケースもあるようです。日本への進出企業は当然のようにありません。


このセッションを見て、日本のソーシャルレンディングが大きく出遅れてしまっているということを痛感しました。現状各社のローン実績合計の累計で$0.4B〜$0.5B程度でしょうか。中国の昨年1年間実績のわずか1/10です。

日本人投資家としては、やはり国内の新しい企業の誕生を期待したいです。今年になって新しいサービスを始めるところが増えてきているようですが、不動産関連投資を扱うところが多く国内の既存サービスとあまり代わり映えがしないです。各種の規制や慣習が大元の原因ではないかと思いますが、なんとかブレークスルーする企業が出てきて欲しいですね。

一方、海外への投資機会も検討していきたいとも思っています。クラウドクレジットのさらなる新しい商品を期待しつつ、今回の確認できたプレーヤーで直接投資できそうなところがないかも確認していきたいと思います。面白そうなところが見つかればまたご紹介したいと思います。
 

LendIt 2015(1)ーオンラインレンディング業界のカンファレンスー

レンディングクラブに投資を初めてから、米国のクレジット事情の勉強をしようと思いLend Academyというソーシャルレンディング関係の情報サイトに登録しています。先日そのLend Academyから「LendIt China」という中国のオンラインレンディングのカンファレンスイベントの案内が来ました。ソーシャルレンディングを含むオンラインでの貸付を行うサービス全般のイベントのようです。

ちなみに、最近になって気付いたのですが日本以外では「ソーシャルレンディング」という名称よりも「オンラインレンディング(Online Lending)」や「オルタナティブファイナンス(Alternative Finance)」、またCosumer、消費者ローンの場合は「P to Pレンディング(P to P Lending)」という名称の方が一般的なようです。またクラウドファンディングとは一線を引いているように思えます。私もそのほうが妙な誤解を招かなくて良いと思っています。

話を戻しますと、それで初めて知ったのですが、「LendIt」という米国主体のオンラインレンディングのフォーラムイベントがあるようです。それを主催しているのがLend AcademyのCEOのようです。

今年のLendItは4月にサンフランシスコで開催。今年で3回めの開催で、2013年の参加者は375人、2014年は1000人だったのが今年2015年は2400人になったそうです。毎年2倍以上の伸びで増えているとはいえまだまだ発展途上という感じですね。
45カ国から参加者が集まっており、内訳は米国が1601人、続く英国が71人と圧倒的に米国主体ですが、第3位が中国の69人ということです。中国は結構ソーシャルレンディングが進んでるんですね。日本からの参加者はわずか4人だそうです。韓国の5人よりも少ない・・・

(↓ちょっとみにくいですが、参加者の国別一覧です。日本は真ん中の列の上から5番目)
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このイベントは多くのセッション(ひょっとして全部?)をネットで公開しています(こちら)。太っ腹。

面白そうなのを選んで時間があるときに見てみようと思っていますが、とりあえずいくつか気づいたものを紹介します。

まず、レンディングクラブのCEOがキーノートのセッションを行っています。いつも思いますがこの人の英語、癖があって聞き取りにくいです。モンペリエ大卒らしいので、フランスの出身でしょうか。アリババ、グーグル、バンクアライアンス(地方銀行200行の団体)との提携について説明されています。また、ちょうどCitiとの提携アナウンスの日だったようで、セッションの途中でちょこっと先行してそれに触れています。

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最後にドローンを使って、「我々のキャッシュデリバリーの新しい方法です」といってドルをばらまくデモをやってたんですが、「クレジットを作る(金を貸し付ける)のは簡単だが、回収することこそが肝心だ。そっちはペンタゴンと協力してドローン利用ストラテジーを作ります」と言ってました。いや、冗談じゃなくそっち重要ですよ。聴衆も笑っていいのか、それとも本気なのかわからないっていう感じになってました。

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また元財務長官でハーバードの教授でもあるローレンス・サマーズのセションもあります。そういえばこの人レンディングクラブのボードメンバーなんですね。金融危機以降、既存金融システムだけでは必要なところにクレジットを届けきれなくなっているという問題をオンラインレンディングが解消できると考えているようです。最後のQ&Aで、「オンラインレンディングは今後どのくらいのシェアを取っていくと思うか」と聞かれて「向こう10年でConsumerは30%〜40%、Small Businessは75%とってもおかしくない」と回答しているのが印象的でした。ゆっくり丁寧に話してるので比較的聞きやすかったです。

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また、The European Online Lending Opportunityというパネルセッションではクラウドクレジットの欧州3カ国消費者ローンファンドの提携先であるBondoraのCEOが参加しています。思ったより若いですね。他のパネリストにはZopaのCOOやFunding Circleの創業者なんかがいました。欧州の金融ということではやはりUKを基盤とするサービスが多いなかで、Continental Euro基盤ということでBondoraは注目されてました。

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また、Innovation in Purchase FinanceというパネルセッションにAQUSH・ExCoのCEOのラッセル・カマー氏がpaidyのCEOとして参加してます。決済系の話だったので内容はイマイチ良く分かりませんでした。

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LendItは米国以外に、LendIt Europe、LendIt Chinaと銘打って3地域で開催されているようです。やはり米国のものが気になりますね。来年も4月に実施されるそうで、既にスピーカーの募集が始まっています。クラウドクレジットあたりが参加して、提携先の拡大をはかってくれると面白そうな。サンフランシスコで開催のようなのでうまくスケジュール合えば参加してみたいなぁ。

しかし世界にはソーシャルレンディング企業はたくさんありますね。レンディングクラブ以外にもう1〜2社海外モノ探してみようかな・・・とうことで次回へ続きます。


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