実践ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングを中心に資産運用全般について。分散投資でリスクを抑えながら、インカムゲインとキャピタルゲインを目指します。

2015年06月

米国中小企業向けオンラインレンディング最大手企業・オンデック ー日本のソーシャルレンディングは遅れているのか?ー

日本のソーシャルレンディングは消費者ローンよりも中小企業ローンが中心です。一方米国ではレンディングクラブに代表される消費者ローンが活況ですが、あわせて中小企業ローンも大きなマーケットになっています(参考:LendIt 2015(2)ー世界のオンラインレンディングサービスー)。オンラインレンディングで中小企業ローンを提供している代表企業が オンデック(OnDeck) です。
日本ではほとんど話題になっていませんが、昨年12月のレンディングクラブ上場から1週間後にオンデックもニューヨーク証券取引所に上場を果たしています(ティッカー:ONDK)。

オンデックは日本でもお馴染みの中小企業ローンに特化していますが、そのビジネスモデルが日本のソーシャルレンディング企業とは全く異なっています。

日本の場合、オンラインで多数の個人投資家から資金を集めて比較的少数の企業に貸付を行っており、貸付に関わる手数料収入が収益の柱です。
他方、オンデックは自己資金を使ってオンラインで多数の中小企業に対して貸付を行っています。貸付に伴う利息収入が収益の中心となり、デフォルトのリスクも自社で抱えています。

以下のスライドはオンデックの(株式)投資家向け説明資料からの抜粋です。
ONDK01
売上項目は「手数料+利息収入」、経費項目は「顧客獲得費用+手続き関連費用+資金調達費+デフォルト損失」であることが説明されています。
以前にも取り上げましたが、日本のサービスの場合は上記のうち「利息収入」「資金調達費用」「デフォルト損失」は、ソーシャルレンディング企業ではなく個人投資家のP/Lに載ることになります(参考:ソーシャルレンディング投資の収益構造 ー本当の利回りは?ー)。

もう1枚同じ資料からの抜粋です。
ONDK02

自社でデフォルトリスクを抱えているため、オンデックの収益性はオリジネートするローン規模に加えて信用リスクとリターンを適切に設定する能力が重要になります。オンデックでは中小企業向けのスコアリングシステムを独自で開発しており、それに基づいて自動的に企業ごとのグレードを決めるシステムを構築しているようです。例えばeCommerce系のサービス事業者であれば、オンデックに過去の取引履歴を閲覧する権利を与えることによって、実績に基づいたグレードが自動的に付与されるそうです。

米国のオンラインレンディングによる中小企業ローンサービスは、あくまでも借り手向けのサービスで、オンライン化による省力・短時間、低コストにより従来より低い利率で提供することを付加価値としています。個人投資家は参加することはできません。実際オンデックのサイトには借り手向けの登録画面はありますが、投資家向けの登録画面は存在していません。これはオンデックだけではなくキャベジ(Kabbage)のような他の大手オンライン業者でも同じです。前回取り上げたゴールドマン・サックスもこのモデルになるのではないかと言われています。

そこに割ってはいろうとしているのがレンディングクラブです。グーグルやアリババといったオンラインサービス大手企業との協業により、特にオンライ事業者の取り込みを図ろうとしています。レンディングクラブの場合、P2Pモデルを維持しており、個人投資家が購入できるローン債権に「Small Business」がリストされています。レンディングクラブの場合、消費者のレーティングは実績がありますが、企業向けのレーティングの精度が今後の課題になりそうです。

ONDK03

このように米国のオンラインレンディングの事業内容を把握すると同じ中小企業ローンサービスといっても米国と日本で全く別モノであることがよく理解できます。

日本のソーシャルレンディング企業の中小企業ローンファンドとレンディングクラブのP2Pを比べて、「米国と比べて日本のはダメだ」的なコメントを見かけることがありますが、そもそも比較対象を間違えています。実際に投資している日本の個人投資家の立場としては、「消費者ローン投資(P2P)は圧倒的に米国が進んでいるが、中小企業ローン投資は投資家にとっては日本のほうが進んでいる」と感じています。

日本国内の場合、「中小企業ローン」というこれまでアクセスできなかった資産クラスへ個人投資家が少額でダイレクトにアクセスできるようになった、という点で個人投資家にとっては米国よりも有利な状況にあります。米国で個人投資家が少額でアクセスできるようになるにはレンディングクラブのこれからの頑張り次第。日本国内においても覆面化やリスク分散のしづらさといった課題もありますが、投資する・しないを自分で判断できる環境があることは選択肢がない環境よりも大幅に先に進んでいます。この点はマーケットを開拓してきたmaneoをはじめとする日本のソーシャルレンディング企業の取り組みに敬意を表したいです。
もちろんここで止まることなく、規制の範囲内での情報公開の充実や自動スコアリングを始めとしたオンラインレンディングの機能を備えたサービス開発等が進んでいくことを期待しています。

ちなみに日本国内でも中小企業関連のサービスを手がけているオンデックという名称の企業がありますが、まったくの別会社のようです。

ゴールドマン・サックスがオンラインレンディングに参入を計画

米国のニュースサイト Business Insiderの”Goldman Sachs now wants to lend you money”という記事によるとゴールドマン・サックスがオンラインレンディングに参入するそうです。ソースはNew York Timesのこちらの記事 ”Goldman Sachs Plans to Offer Consumer Loans Online, Adopting Start-Ups’ Tactics”です。


話は1ヶ月ほど前にさかのぼりますが、米大手クレジットカードDiscoverのカードサービス部門のトップだったHarit Talwar(ハリー・タルワールって読むんですかね?)がゴールドマン・サックスに移りました。(参照:”Even Goldman Sachs wants to jump on the online lending bandwagon”)。その目的はゴールドマン・サックスが参入を検討しているオンラインレンディングビジネスを率いるためのようです。

両方の記事を要約すると以下の通りです。

・100名規模のチームを編成し、プラットフォームを開発
・参入時期は2016年初頭
・対象はConsumerとSmall Business両方
・モデルはおそらくP2Pではなく、Direct Lending

ゴールドマン・サックスは支店網がなく既存金融大手のなかでは比較的オンラインレンディングに参入しやすい環境にあるといえそうです。LendingClubやOnDeckといったIPO組のビジネス成長だけでなく、SoFiあたりは機関投資家からの資金提供をうけて貸出を実施しているようでゴールドマン・サックスとしてもただ黙って見てる場合ではない、ということでしょう。他の既存金融の参入もでてくるかもしれません。

ブルームバーグでもこの話題が取り上げられて(Is It Too Late for Goldman's Online Lending Move?:ゴールドマンのオンライレンディング参入は遅すぎないのか?)、ゴールドマン参入の意味や見通しについて議論されています。Matt Burtonという人がコメントしてますが、この人は「今更来ても無理なんじゃない?」って感じです。司会者がやたらとシャドーバンキングじゃないのか、と透明性について疑義を申し立ててるのに対して、Mattが「レンディングクラブやプロスパーは取引の状況についてデイリーでSECに報告している。ものすごく透明性が高い」といってます。Matt自身、機関投資家向けのレンディングプラットフォームの構築企業のCEOらしくベンチャーよりの意見が目立ちますが、この人の会社モルガン・スタンレーの元CEOやシティグループの元CEOが出資してます。

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こちらは先ほどのブルームバーグのニュースのキャプチャですが、今年に入ってから機関投資家からの資金流入のスピードが急激にあがっているのが見て取れます。おそらく昨年末のレンディングクラブとOnDeckのIPOの効果でしょう。ゴールドマンの判断にこの辺りが影響していることは間違いないでしょう。

それにしても、貪欲で名高いゴールドマン・サックスのことなので、たかだか数%の手数料収入目当てでの参入とも思えません。オンラインでサブプライム層にも貸し付けて(ちなみにレンディングクラブはサブプライム層はローンが組めません)、集めたローンを証券化して、CDO組成して格付け機関にBBB以上で格付けさせて、機関投資家に売りつけて・・・。まぁさすがにそんな分かり易いデジャヴは起こさないでしょうが・・・少なくとも自己資金に対しての貸付金のレバレッジはそれなりに効かせるんでしょうね。

大手の参入は本来歓迎すべきなんでしょうが、なんかスッキリしません。業界への規制強化のきっかけにならなければよいのですが。

ちなみに、ブルームバーグのニュースのキャプチャをもう一つ。今後のオンラインレンディングの市場予測です(By モルガン・スタンレー)。青が米国ですが、緑が中国です。中国でか過ぎです。ただ、2018年以降は伸びが鈍化、2020には縮小になっています。この辺りの予測の根拠が聞いてみたいですね。

GS03

 

レンディングクラブでのレンディング ーその後の状況ー

しばらくぶりのレンディングクラブ投資ネタです。株じゃなくてレンダー(Lender)として参加する方です。5月のレンディングクラブ訪問後に$5,000の入金を3回行い、6月初めの時点で元本$20,000(250万円くらい)になっています。

あ、ちなみに最初の$100で投資した4人ですけど、グレードDのカリフォルニアのスタイリストだけローンが成立しませんでした。不成立の場合理由は明らかにされません。審査が通らなかったのか、申請自体をとりさげたのか。レンディングクラブのローンは思ったより不成立が多く、Noteを買っても結構な割合で現金に戻ってきます。最初の頃は毎日チェックして、そのたびに追加でNoteを買うようにしてました。

現状$58.84が返済され、うち$1.10が利子です。年利換算で10.58%の利子になるようです。一方、現状組もうとしているポートフォリオの過去実績では6.28%〜9.70%程度になります(後述)。まぁまぁですね。また、なぜか1回めの返済で全額繰り上げされたものもあります(Fully Paid)。別のところでより低金利のローンをとれたんでしょう。


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レンディングクラブでの投資方針を決めるにあたって、最も重要なのは「借り手の精査」と「分散」どちらを重視するかです。レンディングクラブの場合、借り手の信用情報の詳細が公開されているので、とにかく安全な貸出先を見つけてそこにまとめて投資するということもできます。例えば$10,000投資する場合、激選した借り手5人に$2,000ずつ投資するようなスタイルです。他方、借り手ひとりひとりの詳細は追わずに、広く薄く投資することもできます。$10,000を$25ずつ400人に投資するスタイルです。どちらが良いのかは投資家によると思いますが、それなりの金額を投資していくには広く薄く投資することでリスク分散するのが現実的だと思います。私の場合もともとそういう投資スタイルですし、日本のソーシャルレンディングでもその方向で投資することにしています。レンディングクラブほどは分散が徹底できないですけどね。

その他もろもろ検討した結果、以下の方針でNoteを購入していくことにしました。

・1ローンあたり1Note($25)を維持し、分散を心がける
・A/BよりもC/Dを若干多く購入する。またEもある程度購入する。
・期間が長くなると職業や生活の変化する可能性がより大きくなることを考慮すると、今後購入するNoteの期間は36ヶ月に絞る

借り手の細かい条件設定はとりあえず見送ることにしました。気になるところを設定していくと、結局AとかせいぜいBのローンしか残らなくなってしまうので期待利回りがガクンと落ちてしまうからです。しばらくはグレードだけで割当比率を決めて様子を見てみます。ただし期間は36ヶ月限定で。

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今後も$100Kめざして買い進めていくことになりますが、まとめて1回で購入するのは無理があるので、定期的に入金することにしました。レンディングクラブではそのためのメニューも用意されています。当面毎週$2,500、月あたり$10,000ずつ入金していくつもりです。当初は最初に$50,000という話をしていましたが、レンディングクラブ訪問時にトム(仮称)と改めて話して、きちんと$100Kまでいくのであれば定期的に積み上げていく方法でも大丈夫ということだったのでそうしていくつもりです。

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また、Noteの購入にあたっては、Automated Investingという機能を使用することにしました。こちらなかなかのスグレモノで、事前に購入するNoteのグレード毎の割当率をきめておけば、入金や返済等でキャッシュがある時に自動的に購入してくれます。グレードごとの比率を変更すると、その比率での期待利回りの値も変更されます。現在の構成では、計算上の期待利回りが6.12%、過去実績で6.28%〜9.70%になる構成にしています。高い利回りを求めるにはE/F/Gあたりの比率を高める必要がありますが、このあたりのグレードは36ヶ月モノはあまりありなく、ほとんどが50ヶ月モノになるのでまずは無理せず36ヶ月中心で行こうと思います。
レンディングクラブでは1日4回新規ローンの供給があるのですが一部を除いて日本時間の夜中なので、これがあると買い遅れが減りそうです。また、この機能を使っていても普通に自分でNoteを選んで買うこともできます。
 

LC35

大きな思い違い等をしていないようであればしばらく様子を見で、次は8月くらいに見なおしてみようと思います。

 
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