実践ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングを中心に資産運用全般について。分散投資でリスクを抑えながら、インカムゲインとキャピタルゲインを目指します。

2015年05月

レンディングクラブの株価情報

当ブログへアクセスする検索キーワードのトップ、先月までは「ソーシャルレンディング」でしたが、今月になってから「レンディングクラブ」が急増してトップになりました。

当ブログではレンディングクラブに関しては、
・キャピタルゲイン狙いの株購入
・インカムゲイン狙いのレンディングクラブサービスの投資 
の二方向で投資していますが、検索でアクセスされる方は、他に「株価」「決算」「第一四半期」などのキーワードとの組み合わせが多く、株の購入を検討されている方が中心だと思います。他に「大化け」とか「3年後」とかの組み合わせの方も。

レンディングクラブはニューヨーク証券取引所に上場していますが、米国株の情報収集について不慣れな方向けにリンクをご紹介しておきます。

Yahoo!Financeのレンディングクラブの株価情報

普段はほとんどこのサイトしかみてません。とりあえずこのリンクをブックマークしておくと良いと思います。米国株式は日本のような銘柄ごとのコードはなく、ティッカーと呼ばれるシンボルマークで表されます。レンディングクラブの場合ティッカーは「LC」です。

Summaryで表示される株価は20分遅れです。After hoursも表示されます。

Headlineにレンディングクラブが取り上げられたニュース・記事の一覧がありますので、ここをチェックすれば他のサイトを巡回する必要がなくなります。たまにチェックして気になるものは頑張って目を通すとよいかと。

Order Book」ではリアルタイムの板情報が見れますので、使用されている証券会社で該当するサービスがない場合は売買時に使えると思います

ちなみに今はまだ利用できませんが、「Message Board」が掲示板です。IPO後しばらくは使えませんがそのうちアクティブになるのではないかと思います。

Yahoo!Financeはスッキリしていて使いやすいのでもう10年以上使ってます。
日本のYahoo!ファイナンスはちょっとあわないので使ってないですが。

レンディングクラブのIRのページ

決算情報はもとより、アナリスト向け説明会の情報なんかもあったりしますので気合入ってる人は定期定期にチェックしてみてはいかがでしょうか。

米国株は手数料が高いので頻繁に売り買いするわけにはいきません。一旦買ったら株価が振れようが、為替が振れようが ホールドするつもりで無理のない範囲で投資しましょう。




資産運用の目標とアセットアロケーションについて

これまでも何度か触れてきたとおり分散投資を心がけています。「分散」には「投資アセットの分散」と、「投資タイミングの分散」の2つの意味があります。特に「投資アセットの分散」はいわゆる「アセットアロケーション」につながり、資産全体のリスクとリターンを決定する主要な要因になります。

資産運用の目標は投資家の世代、収入状況と今後の見込み、将来設計、リスク嗜好等によって個々人ごとに様々です。私の場合、現時点の資産運用については以下を目標としています。
  1. 中長期のインフレリスクに備える
  2. 中長期の円の下落リスクに備える
  3. 「リスクフリレート+年3%(できれば5%)」のゲイン(キャピタルゲインとインカムゲインの合計)を確保する
まずは何よりも資産価値の目減りを防ぐということが第一義です。インフレになるかなならないかや、円が下落するかしないかははっきりとは分かりません(個人的には中長期での可能性はそれなりにあると思っています)。例えばインフレ対策を取っているのにインフレにならない場合、インフレ対策による機会損失は発生しますが資産はそのままの価値がありますので全体としては良しです。一方インフレ対策を取っていない状況でインフレになった場合、資産の目減りに直面します。それであれば対策をとっておくべきだと思います。

また、10年以内にセミリタイアするつもりなので資産からの収入をある程度得られるようにしておきたいと思っています。ここ数年は給与収入と資産運用の組み合わせで資産全体の伸びは年10%〜25%を確保していますが、セミリタイアで給与収入が大幅減になっても実質で資産全体の3%(できれば5%)で運用してそれを取り崩す生活ができればいいなと思っております。


前回ソーシャルレンディングを「消費者ローン」と「中小企業向けローン」というアセットに分類するという話をしましたが、それを踏まえて自分のアセットアロケーションの状況を改めて確認してみました。
それがこちらの表になります。
アセット

自己診断は以下の通りです。

・預貯金 37.7%(国内23.9%:海外13.8%)
 現状現金比率は高いです。ここしばらくの資産価格上昇で現金化しているのが一因です。資産効率が落ちるのは理解していますが、新規の投資機会や株の大きな下落等に機動的に対応できるように当面は一定量を維持するつもりです。
 →外貨、特に今年で税優遇が終了するMMFに関しては解約してレンディングクラブに回す予定

・株式 35.2%(国内17.6%:海外17.6%)
 昨年〜今年の株高時に国内・海外ともに一部売却して1/3にリバランスしました。国内・海外同額なのはたまたまです。
 →今後は追加のキャピタルゲイン狙いはストックオプションを中心にするつもりです。この点は機会があれば改めて紹介します。ただ、さわかみの積立はまだしばらくく続けるつもりです。

・債権 10.5%(国内9.0%:海外1.5%)
 現状だとどうしても比率が低くなります。当面は債権よりソーシャルレンディングに投資を回したいと考えています
 →eMAXISは来年あたり金利予測動向しだいで全部手放すかもしれません。SBI債は1年モノであればチャレンジを続けるつもりです。海外債権はETFが下げてくれば追加購入予定。

・保険 7.9%(国内5.3%:海外2.6%)
 現状の解約返戻金がいくらになるかで計算しています。実際に中心となる保険は途中で解約する前提で積み立てています。保険といっても生命保険というよりインフレリスクへのヘッジとして物価連動と外貨が中心です。ちなみに個人年金は社会人になりたての頃に始めたので予定利率が脅威の5%台!、こいつは絶対解約しません。なお余分な生命保険や医療保険は特約も含めて結構前にすべて解約しています。
 →現在のアセット構成に合わせてちょっと見なおそうかなと思ってます。一部解約検討中。

・不動産 1.5
%(国内1.5%:海外0%)
 1%台は小さいと思われるでしょうが、現物資産(区分マンション)を保有しているので金融資産分は最低限にしています(こちらに関しても機会があれば紹介します)。
 →ただし海外REITは下がるタイミングがあれば購入を検討します

・商品 0%(国内0%:海外0%)
 商品は需給のみで価格が決まる印象なのであまり食指が動きません。春先に原油ETF買おうかとも思いましたが、やはり売り買いのタイミングが重要ポイントで自分にはあっていないと思い止めました。インフレ対策は別に行っています。
 →今のところ手を付けるつもりはないです

・消費者ローン(ソーシャルレンディング) 1.8%(国内0%:海外1.8%)
 現状このアセットは国内商品が限られており海外商品が前提になります。このため海外資産配分の中でやりくりすることにしています
 →外貨MMFをレンディングクラブへ回すのと同時にクラウドクレジットの投資を増やします

・中小企業向けローン(ソーシャルレンディング) 5.4%(国内5.4%:海外0%)
 とりあえずこのくらいかな、という感じです。
 →新しいサービスが出れば追加を検討します

「ソーシャルレンディング関連のアセット+債権」は現状17%程度になっていますが、これを25%〜30%程度にしていくつもりです。

資産全体でみると株価変動よりも、為替動向の方が影響が大きいです。現状(円建て為替ヘッジなしを含む)外貨資産比率が40%程度なのですが、50%程度までは引き上げていくつもりです。現在の財政赤字の解消はインフレにする以外に方法がないのではないかと思っており、そうすると長期的には円が弱くなる可能性が高いのではないかと思っています。もちろん為替には相手国の事情も影響しますし絶対ということはありません。半分くらいは円以外の資産にしておくのが良いかと思ってます。ユーロが下がっていることもあり、クラウドクレジットの欧州案件は自分にとっては非常にタイムリーでした。

これだけ分散していると個別銘柄の価格動向に気を揉むことがほとんどなくなります。アセット内の個別銘柄の価格動向に至ってはなおさらです。資産全体が急増することはないですが、急減するリスクも小さく、個別銘柄を長期に保有することができるようになるというのが結果的に良いパフォーマンスにつながると考えています。

従来からのアセットに加えてソーシャルレンディングによってアスセスできるようになったアセットに投資することで、資産全体のリスクとリターンをより好ましいものにしていけると思います。

再考:ソーシャルレンディングのアセットクラス

以前ソーシャルレンディングの商品ごとのアセットクラスについて記事で取り上げたことがあります。
従来からある国内債券、海外債権、不動産等のカテゴリーに分類して、同じカテゴリーの金融商品と比較してみました。あまり適切な比較とはいえない面もありますが、ソーシャルレンディング各社がサイトで掲げている定期預金との比較なんかよりは意味があるだろうと思って記事にしてみました。(参考:ソーシャルレンディングとアセットクラス



5月6日に行われたレンディンクラブがQ1決算の際に提出している説明資料に次のスライドが含まれているのを見て、ソーシャルレンディング商品のアセットクラスについて再考してみることにしました。
 

Asset class
レンディングクラブ「First Quarter 2015 Results」から抜粋


彼らは「株式」「債権(上の図では預貯金も含んでFixed Incomeになっています)」「不動産」「商品」といった従来のアセットクラスとは別に、これまで金融機関が独占していた「消費者向けローン」「中小企業向けローン」といったアセットクラスに投資する機会を個人資家に提供していくと主張しています。

確かに「消費者向けローン」は国債や社債などの「債権」とは性質が大きく異なり、金額規模や信用確認手法、金利幅、繰り上げ返済リスク等従来の投資商品との違いが際立ちます。特に繰り上げ返済に関しては、金利変動の影響の受け方の違いに関係しそうです。債権の場合通常金利が下がるとそれまで債権は値段が上がりますが、消費者向けローン債権の場合は借り換えによる繰り上げ返済で償還されてしまう可能性が高いです。この場合予定していた運用期間を下回ってしまい新たな投資機会を探す必要がでてきますので、一定の運用を確保する必要があるような機関投資家には敬遠されるタイプの商品だと思われます。ちなみにモーゲージ債件でこの問題に対応するために開発されたのがCMOという商品です。確かに「消費者向けローン」というのはこれまでのアセットクラスとは違う性質の商品とみなすこともそれなりに妥当かもしれません。

一方で「中小企業向けローン」に関しては、通常の社債に近い性質がありアセットクラスが違うとまでいえるのかは微妙な気もします。一方で、債権は非常にクローズされた環境で取引されているために個人投資家がアクセスできる商品は非常に限られています。「中小企業向けローン」の意義の一つは従来の「債権」よりも個人投資家が企業向け融資という投資機会にアクセスしやすくなるところにあるのかもしれません。また融資対象になるのが銀行融資を受けることができない企業群であるという点で従来の国内債券ではアクセス出来なかったマーケットだと言えるかもしれません。繰り上げ返済に伴う現金化リスクという点で従来の「債権」と違い「消費者向けローン」と同じ動きになりそうです。


ソーシャルレンディングは「消費者向けローン」「中小企業向けローン」というこれまで個人投資家のアクセスできなかったアセットクラスへの投資機会を提供するという主張が正しいとすると、以前見たような国内債券や海外債権、不動産商品との比較は適切ではなく、それぞれのアセットの中での比較が必要になります。


それぞれ国内、海外という性質で分類して日本のソーシャルレンディング企業が提供している商品をマッピングしてみると以下の通りです。

・国内消費者向けローン:SBIソーシャルレンディング、AQUSH

・海外消費者向けローン:クラウドクレジット

・国内中小企業向けローン:maneo、SBIソーシャルレンディング、クラウドバンク、AQUSH

・海外中小企業向けローン:現状なし


現状の取り扱いは圧倒的に「国内中小企業向けローン」に偏っていますが、こちらでベンチマークになるような商品はあるのでしょうか。ソーシャルレンディング以外でこのマーケットにアクセするには、以前見たアサックスのようなこのマーケットを対象にビジネスを行うノンバンク企業の株へ投資するくらいしかないのではないかと思いますが、それだと比較対象としては不適切です。

またクラウドクレジットが広げようとしている「海外消費者向けローン」に関しても適当な比較対象が全く思いつきません。
ソーシャルレンディング投資は従来個人投資家がアクセスできなかったアセットへの投資を可能にするものであるという視点にたつと、現時点では投資効果を比較するのはソーシャルレンディング商品同士での比較にならざるを得ないのかもしれません。

イマイチ歯切れが悪い内容ですが、以前取り上げた内容の見直しの必要性を感じましたので今回記事にさせてもらいました。

バーゼルIIIで大手銀行の自己資本規制がより一層強化される見込みです。一月ほど前にも日経新聞で国債や住宅ローンの保有に関しても規制が強化される方向との報道がありました。そうすると銀行としては国債や住宅ローンを手放すか、自己資本を積み増すか、融資を控える必要が出てきます。実際は折衷策になっていくのだと思いますが、これまで銀行から融資を受けていた企業や個人の一部への融資が滞ることになりそうです。そうであれば銀行借り入れ以外の金融手段で資金需要を満たす必要が高まっていくことのは必然的な流れです。その需要を満たすための手段のひとつとしてソーシャルレンディング商品が大きく伸びる可能性が高いのと同時に、このアセットクラスで別の新しい金融商品が出てくる可能性もあるかと思います。投資家の立場では選択肢が増えてくれることを期待したいですね。


 

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