実践ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングを中心に資産運用全般について。分散投資でリスクを抑えながら、インカムゲインとキャピタルゲインを目指します。

2015年04月

レンディングクラブに口座を開設する(4) ー口座開設手続きー

通常レンディングクラブの投資家登録は、サイト上の登録フォームを使って進めることができるようになっています。ただし、それは米国在住の投資家の場合です。海外の投資家はレンディングクラブの担当者が個別に対応し、前回見た要件をクリアできることが確認できればメールで口座開設に必要な書類のやりとりを行うようです。

電話で会話した後、レンディングクラブの担当者から「International Investor Account, Lending Club」というサブジェクトのメールが届き、以下の資料を提出するように求められました。
  

1.  A clear copy of your Passport


パスポートですね。
お固い金融機関(銀行とか)の場合、パスポートの本人認証みたいな手続きを求められることがありますが、レンディングクラブは顔写真のページをスキャンして送っただけでOKでした。

2.  W-8BEN tax form for Non US residents


海外の金融機関に口座をお持ちの方にはお馴染みのW-8BENです。馴染みのない方も「W-8BEN」でぐぐるとすぐにわかると思います。これは米国の歳入庁(IRS)に提出される書類で、米国の居住者ではなく米国の徴税対象ではないというのを宣誓するものです。これを提出すると源泉徴収されません。書き方のサンプルはネットで見つかります。「a foreign tax identifying number」という米国外の徴税番号を記入する欄があるのですが、ブランクで提出したところ「この欄もちゃんとうめろ」と言われるました。が、「日本にはないよ」って回答したらそれで大丈夫でした。マイナンバーが施行されたら記入することになるんですかね。


3.  Proof of current address (e.g utility bill)


現在の住所確認をできるもの、一般的に公共料金(電力、水道、電話等)の請求書が使われます。
請求書は当然日本語なので、お固いところだとこいつも業者にお金を払って認証用の資料作ってもらたりすることが求められます。レンディングクラブは日本語のものそのままでも確認できるとのこと。携帯電話の請求書の住所と名前が出ているところをそのまんまスキャンして送ったんですが問題ありませんでした。

4.  Agreement to Terms and Conditions (see attached) 

これは各種の約款へ「同意」の意思表示です。元のメールにInvestor Agreement(投資家規約)、LC Terms of Use(利用規定)、Trust Agreement(信託契約)の3つが添付されており、その内容に同意することが必要ということです。サイトで口座開設進めてたら「同意する」ボタンがあってそれ押さないと次に進めないやつですね。ちゃんと目を通そうかと一瞬思ったですか、次の瞬間にはファイルを閉じてしまいました。
意思表示の方法は、元メールに「同意した」旨のコメントして返信するように、とのことです。私の場合「I accept the terms and conditions set forth in the documents.」と記載して返信することにしました。


なお、レンディングクラブは個人口座(Indivisual Account)以外に共有口座(Joint Account)も開設できるとのことで、共有口座の申込用紙も送ってもらいました。嫁がおりますので、万一の際にも共有口座であれば難解な手続きを踏まなくともスムーズに移管できるかなと考えてのことです。用紙を見ると共有口座のタイプを
Joint Tenants(2種類あります)だのCommunity/Propertyだの3種類くらいから一つを選ぶようになっています。ネットで調べてみるとどうも共有不動産を意識した所有形態らしく米国でもいくつかの州だけで存在しているもののようです。何がどう違うかサッパリ分からずどれを選べばよいのか分からないのでレンディングクラブの担当者に「普通のでいいんだけどどれを選べばいい?」と質問したところ「それは回答しちゃダメな決まりなのでFAにアドバイスもらえ」と言われました。いや、日本のFAはそんなの知らんでしょ。共有口座にこだわっているとスタックしそうだったので「最初に個人口座で開設してその後共有名義人の追加ができるか」聞いてみたところ、「できるよ」とのことなので、とりあえず今回は個人口座で開設することにしました。


後、口座名義人(私です)が死亡した場合に相続させる相手を指定する用紙(Transfer of Death/TODというらしいです)も送ってもらいました。万一対策は、共有口座ではなくこっちで対応してもいいかもしれません。
 
ということで、上記コメントを記載した返信メールに、1〜3のファイルをスキャンしたものを貼り付けて元メールへ返信することで口座開設の手続きは終了です。 メールしたら早速「通常2−3営業日で口座開設できるので待ってて。できたら連絡します」とのレスが来ました。これで後は待つだけです。

レンディングクラブに口座を開設する(3) ー口座開設に必要な要件ー

米国以外の投資家でもレンディングクラブに口座を開設できるとのことで、レンディングクラブに確認したところごく少数ではあるがすでに日本からの投資家も登録しており、その中には大手の機関投資家もいるとのことです。Wall Street Jornalの記事(日本語です)でも米国の地域銀行やヘッジファンドといった機関投資家がレンディングクラブの債権の買い手になっているとの指摘がされていますが、日本の機関投資家も含まれているようです。

口座を開設するにあたって必要な要件はそれほど多くはありませんが、日本の個人投資家にとってはハードルは低くありません。

最もハードルが高いのが、「最低$100,000USD(1,200万円)投資すること」という点です。レンディングクラブは低コストで個人間の金融仲介を行うことで、借り手、貸し手双方にメリットを提供する事で成長していますが、米国以外の投資家を受け入れるには通常の自動化されている投資家登録システム以外の事務作業が発生するために一定以上のボリュームが見込めないと必要な手数料が稼げない、というのが理由のようです。$100KUSDでも手数料収入は年間$1KUSDなのでこれ以上低いと現状Payしないのでしょう。

それにしてもいきなり$100KUSDというのは分散投資を旨とする者としてはかなりハードルが高いです。今年いっぱいで優遇税制の終わる外貨MMF(USD)やらなぜか放ったらかしにしてるドル現金を集めれば一応クリアできそうではあったのですが、さすがにいきなり$100KUSDは大きすぎです。ダメ元で「$50KUSDじゃダメ?」と交渉してみたところ、「まず$50KUSD(600万円)で初めて、順調であれば初年度が終わるまでに$100KUSDに増やす」という条件で了解してもらいました。それでも最初から600万円ですけどね。

次のハードルは英語でのコミュニケーションです。レンディングクラブにはInvestor Service担当という部署があり投資家向けの各種対応を行っているようなのですが、米国以外の投資家はその部署から担当者がアサインされて口座開設に必要な手続きについてやりとりをするようです。大部分はメールでやりとりできますが、必要に応じて電話での会話することもあります。米国人はメールよりも電話で話すのが好きな人が多いですし(向こうは厚意のつもりなのでしょが)。米国の金融機関と取引するのであれば英語は避けて通れないのでこの点は観念するしかないです。私の場合、多少メールでやりとりした後に口座を開設するかどうかについて電話会話しました。実際の電話は結局15分程度だったのですが、サービス内容等を事前に確認して質問したい点(共同名義と相続について聞いてみました)も事前に準備していたので割とスムーズに進めることが出来ました。
レンディングクラブの投資家向けページを精読して用語に慣れておいたり、一般的な金融用語を英語でなんていうかを確認したりといった準備をしておくと良いと思います。ちなみにこれ↓とか結構良いと思います。アルファベット順ではなくテーマ(株式とか債権とか)ごとにまとめられているので使い勝手が良いです。


もう1点、これは必須かどうか分かりませんが会話の中で米国の銀行に口座を持っているかどうかを確認されました。私はたまたま口座を持っていたので、もしない場合にNGなのかは確認していませんが、もし必須ということであれば三菱UFJグループのユニオンバンクあたりに口座を作るとクリアできるかもしれません。CITIが撤退してしまったので選択肢は多くないですね。

この3点をクリアできれば他はそれほどハードルは高くなく、むしろ海外金融機関としてはハードルが低いと感じました。この点については次回。

外貨資産枠で$100KUSD相当の余裕資金があって、英語のコミュニケーションが苦にならなければなかなか良い投資先かと。

レンディングクラブに口座を開設する(2) ーリスク管理についてー

今回はレンディングクラブが確立しているリスク管理手法について見ていきます。

レンディングクラブでは、借り手の債務を$25USD(約3,000円)単位の”Note”という債権に分割して管理しています。ある借り手への融資合計が$1,000USDであればNoteが40個できるということです。 投資家はNote単位で投資を行えるようになっており、特定の借り手の債務をまるまる保有するのではなく複数の借り手のNoteを保有することで特定の借り手のデフォルトリスクを抑えることができます。

LC1

例えば借り手A,B,C,D,E,F,G,H,I,Jがそれぞれ$2,500USD借りる場合、A〜JのNoteがそれぞれ10個ずつできることになります。投資家はA〜JのNoteをそれぞれ1個ずつ保有すれば、投資額は$2,500USDで投資先を10箇所に分散できます。万一Aがデフォルトを起こしても、残りのB〜Jが利率10%以上で返済すれば元本を確保することができます。同じ$2,500USDを特定のAやBに投資するのと比べるとそのリスク分散の違いは一目瞭然です。

LC7

こちらはレンディングクラブのサイトで確認できるデータです。保有Note数が200以上(投資額で$5,000USD、約60万円)になるとリターンが安定していくことが確認できます。90th Percentileは対象が100個ある場合の90個目の値、10th Percentileは10個目の値、Medianは中間値(50個目)です。Note数が200を超えるといずれも5%〜10%の間で推移しています。

LC8

これもレンディングクラブのサイトから。Note数が100を超えた場合(つまり投資額$25USD✕100=$2,500USD(約30万円)以上の場合)、理論上99%以上の確度でリターンがプラスになるとのことです(真ん中と右の棒グラフ)。一方Note数が100以下の場合は、リターンがマイナスになる確率がぐっとあがります。このデータにはデフォルト率の想定数の記載がないので、なぜこういう値になるのかはうまく理解できません。

LC

こちらは時間経過とのリターンの実績を表すグラフ。時間が経過するにつれて(グラフの右側に移るにつれて)上下のバラつき(リターンのブレ)が減っている様子が確認できます。

また、保有しているNoteを換金化できるセカンダリーマーケット(Folio Investing)も整備されています。これがあればある程度は流動性リスクもおさえられます。ただし、レンディングクラブの担当者いわく現状海外の投資家は利用できなさそうです。残念。

実際の投資にあたっては、A〜Gのグレードが割り当てられているNoteを自分で選択していくことで投資グレードの分散もできます。全部AのNoteを購入したり、全部GのNoteを購入するという極端なやり方もできますが、A:25%、B:50%、C:25%みたいな混合もできるということです。いいですね~。

------------------------------------------------------------------------------------

債権をNoteという小さい単位に分割することで、分散投資し易い環境を構築している点は素晴らしいアイデアだと思います。多分、CDO等の証券化商品あたりが元ネタだとは思いますが、投資家自身がグレードを選択して個別に選択できるプラットフォームを提供している点は素晴らしいです。「抱き合わせ」の中身を自分で決めれるんですからね。また、借り手、貸し手共にスケールがないとこの仕組はうまく回らないので、先行者利益が大きそうです。レンディングクラブ弱小株主としても納得の仕組みです。

レンディングクラブの期待利回りやリスク管理手法は十分期待値を上回っています。課題は為替リスクですが、これはもともと外貨資産枠として確保している範囲を割り当てることで個人的にはクリアできます。特に今年は外貨MMFの優遇税制最後の年なので、その資金をスライドさせるのにちょうど良さそうです。
残る課題は税金です。どういう扱いになるのか不明瞭ですが、こちらは事前に確認するのが難しそうなので来年の申告時に要確認です。多分海外口座の配当と同じく雑所得なのかなぁ。

ということで投資する価値は十分ありそうなので、実際に口座開設手続きを進めることにしました。何といってもブログタイトルが「実践ソーシャルレンディング」ですので。

※今回の内容は日本国内のソーシャルレンディング投資方針にも参考にできそうです。

メッセージ

名前
メール
本文
ランキング
記事検索
最新コメント
livedoor プロフィール
  • ライブドアブログ