実践ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングを中心に資産運用全般について。分散投資でリスクを抑えながら、インカムゲインとキャピタルゲインを目指します。

2015年03月

SBIソーシャルレンディング不動産ディベロッパーズローンファンド2号

先月のSBI債に当選したので気を良くしてSBIソーシャルレンディングへの追加投資を計画していましたが、今週タイミングよくデベロッパーファンドの募集がありました。SBIソーシャルレンディングとしてはなかなか条件の良い5%、17ヶ月です。ただ、SBIソーシャルレンディングのオーダーメード型のファンドは発売直後に売り切れることが多いので、買いたくても買えないことが少なくありません。

案件のリスク度合いがわからないので、案件あたりの通常上限に設定している50万円を投資すべく、発売タイミングの23日9時少し前にログインして挑んだところ、あっさりゲット。何かSBIグループと相性が良くなってきてる気が・・・。
SBI

申込み完了後、指定された口座へ資金を送金して完了です。しかし、なんで送付先が住信SBI銀行でなく三井住友銀行なんなんですかね?SBIの持分が50%とはいえ同じSBIの冠つけてる住信SBI銀行の方が自然だと思うんですが。

資産価格はなぜ予測できないのか?

すべての投資商品の価格変動は将来予測ができません。株価や為替はもちろん、利上げ予定や原油価格も価格変動の正確な予測はできません。これは各資産の価格変動の原因となる事象の予測ができないことに起因します。
例えばここのところ値動きの激しい原油価格ですが、価格変動に影響を与えそうな要因になりそうなものに何があるのかをちょっと考えてみましょう。
・世界経済の動向による受給変動
・産油国の生産計画の変動
・異常天候による大幅な気温低下あるいは気温上昇による受給変動
・代替エネルギー(シェールや原子力等)の安全性・生産性の動向
・原油設備へのテロリスク
・産油国設備近辺での地震リスク
・産油国の政変リスク

・地政学(紛争)リスク
等々。これらの要因の動向を正確に予測するのは不可能に思えます。さらに言えば現在把握しきれていない変動要因があるのかないのかもわかりません。これらすべての要因を正確に予測し、かつその要因がどういう影響をどの程度あたえるのかを把握しないと原油価格の正確な予測はできないのです。つまり現実的には予測できない、ということです。

今回は例として原油価格をとりあげましたが、実際は原油だけでなく株価、債権、為替といった他の資産でも同様に予測しきれない要因が多数存在するのは皆さん同意いただけると思います。

これだと投資判断がたてられないので、所謂その道のプロ(予測することで生計をたている人達)は実務的にこれらの予測できないことを無視して、予測できることだけで価格変動の見込みをたてます。その結果、無視した事象や予測できなかった事象がひとたび発生すると見込み通りに行きません。実際予測通り推移しないことが少なくないというのはみなさんが実感しているとおりです。このあたりはタレブの「ブラック・スワン」を読まれた方はご承知のことと思います(まだ読んでない方はぜひお読みください)。
ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質
ナシーム・ニコラス・タレブ
ダイヤモンド社
2009-06-19


ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質
ナシーム・ニコラス・タレブ
ダイヤモンド社
2009-06-19

 

これで終わると、なんだかなぁという感じなので、価格変動が予測できない前提でどうするべきかを考えたいと思います。

ある資産の価格が上がるのか下がるのかまたは変動がないのかわからないのであれば、分散して投資することでリスクを下げるしかないと思います。ここでいう分散は、投資する資産アセットの分散購入タイミングの分散を意味します。特定の資産に集中して投資する場合、価格が上がれば大成功ですが、逆に下がれば大きな損失になります。これを避けるにはひとつひとつの資産への投資を「万一価格が下がっても全体資産への影響が少なくても済む範囲」に抑えること、つまり多くの資産に分散投資することです。また、投資金額が決まったら、ある一時点ですべての資金を使用して購入するのではなく、購入タイミングの分散を行うことで高値づかみのリスクを下げることができます。逆に売却する場合も、売却タイミングを分散することで売却後の値上がりを逃すリスクが下がります。

ソーシャルレンディングは比較的新しい投資手法ですが、その投資対象は従来のアセットである株や国債・投資適格社債とは異なった資産への投資を行うものも少なくありません(ただし不動産事業者向け融資は不動産アセットと同等等思ったほうが良いかもしれません)。これらを運用資産の一部として投資することで、リスク分散への効果も期待できるのではないかと思います。

毎月分配案件と税繰延案件(2)

例として、一番税繰延効果が出やすそうなクラウドクレジットのペルー小口債務者支援プロジェクトを簡易化して試算したいと思います。

<試算条件>
元本:1,000,000円
利回り:10%
期間:36ヶ月
配当タイミング
 毎月分配型:投資翌月から毎月(実際は6ヶ月後から) 
 税繰延型:毎月の分配を内部で自動再投資し、36ヶ月経過後に一括
簡易化のため為替は一定とします。 

<毎月分配の場合>
毎月の分配金:1,000,000円✕(10%÷12)=8,333円
源泉徴収額:8,333円✕20.42%=1,702円
税引き後分配金:6,631円
36ヶ月分手取り分配金合計:238,752円

<税繰延の場合>
1ヶ月目の分配金:1,000,000円✕(10%÷12)=8,333円
2ヶ月目の分配金:1,008,333円✕(10%÷12)=8,403円
3ヶ月目の分配金:1,016,736円✕(10%÷12)=8,473円
   ・
   ・
   ・
35ヶ月目の分配金:1,325,992円✕(10%÷12)=11,050円
36ヶ月目の分配金:1,337,042円✕(10%÷12)=11,142円
36ヶ月後分配金:348,184円
源泉徴収額:348,184円✕20.42%=71,099円
36ヶ月手取り分配金:277,085円
 
単純試算では、元本1,000,000円に対して毎月分配と税繰延で38,333円の手取り金の差がでます。実に年あたり1%以上の利回り差です。

もちろん現実的にははこんなカンタンな試算ではなく、例えば分配金の内部再投資分は投資期間が短くなるので当初元本と同じ利回りを期待できないといった問題があったり、配当金の為替リスクの時期分散による平準化が損なわれたりという問題があります。また試算上は分配金を再投資に回していませんが、一定金額(試算しているクラウドクレジットの場合は10万円)が貯まれば再投資可能なので実際の差分はもう少し小さくなると思います。ただ、いずれにしても税繰延型の方がリターンが大きくなるなのは間違いありません。今回の試算は3年ですが、現役期間が10年〜30年残っている現役世代にとっては税繰延効果はよりいっそう重要になります。

AQUSHの場合、分配金や元利返済金を自動再投資できるようになっていますが、あくまでも源泉徴収後の分配金なので今回試算したレベルでの税繰延効果は期待できません。どうせ自動再投資するのであれば、分配せずにそのまま再投資するようにして欲しいですし、他の企業もそういったオプションを検討して欲しいです。

なお、この仕組で運用するには投資家が担保状況を確認して投資判断する個別案件型では適用が難しく、運用会社が投資判断を行うバスケット型商品に向いています。現状ではAQUSH、クラウドバンク、クラウドクレジットですね。
特にクラウドクレジットの場合、多数の少額の不良債権を集めて回収するようなモデルなのでピッタリだと思うんですが、以前杉山社長に伺ったところ、投資家へのアンケートでは毎月分配を望む声が多かったということでした。投資家の嗜好は様々だと思いますので、できればいずれ毎月分配型と税繰延型を併売して欲しいですね。伊藤忠の資本も入ったことだしある程度の期間あずけても大丈夫だと思ってます。クラウドバンクも同様の仕組みを採用すればより利回りが向上すると思いますので、そちらでもぜひ検討していただきたいです。

ゆくゆくはさわかみファンドみたいな、無配当、無期限で必要な時に解約できるような商品もあるといいなぁと思ってますが、匿名組合の仕組みだとハードルが高いのでしょうか。今後、ソーシャルレンディングがより広がって選択肢も増えることを期待しています。
メッセージ

名前
メール
本文
ランキング
記事検索
最新コメント
プロフィール

おしょわ

  • ライブドアブログ