昨年5月におひさまファンドが証券取引等監視委員会の検査結果に基づき金融庁から行政処分を受けました(金融庁:おひさまエネルギーファンド株式会社に対する行政処分について)。法令違反の内容は2点。
1.適切な分別管理を実施していない商品を販売していた(第2種金融商品取引業者は分別管理されていない商品の販売を禁止されている)
2.当局へは適切な分別管理を時意思していると虚偽の報告を行った

本件のうち特に以下の内容は衝撃的です。
「〜事業利益が発生しておらず、契約上、現金分配を行うことができない事業状況であったにもかかわらず、目標に沿った現金分配を行ったことに伴い、一部の本件ファンド間で資金の貸借が行われてファンドからの現金分配に充当されるなど、本件ファンドの出資金の管理には不適切な状況が認められた。」
つまり、他のファンドへの出資金を流用して利益の出ていないファンドの分配金に当てていた、ということのようです。

これに対して、当初おひさまファンド側は
私的な流用や、資金の消失は認められない」、「実態のない事業に対する出資募集ではなく悪質なものではない」とのお知らせを出しています。意図的な悪意のある詐欺行為じゃない、ということを言いたいのだと思います。
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(おひさまファンドの上記「お知らせ」から抜粋)
投資家の立場からすると、悪意があろうがなかろうが自分の投資しているファンドの資金を他のファンドの分配に回したり、その逆が行われているのはとても容認できません。最初は今回だけと思っていても次に同じような状況になった際にまた必ず同じことが起こるとしか思えません。それが常態化するとまさに自転車操業で立派なポンジースキームへ一直線です。

厳正な分別管理を実施することは、事業者による私的な流用を防ぐだけでなく、ファンド間の資金の流用によるポンジースキーム化を防止する上で重要です。事業者破綻時の効果は余り期待できないですが、やはり投資家保護上重要な制度です。
ソーシャルレンディング各社も適切な分別管理が実施されているかどうかを定期的に第三者にチェックを受けるような対応を検討して欲しいです。クラウドクレジットの取り組みが拡がって欲しいですね。