各社の状況を確認してみると、適切に分別管理を実施したとしても、破綻時は投資元本が棄損する可能性が高そうです。
この点について、ソーシャルレンディングファンドではないですが、私が投資している別の匿名組合ファンドの重要事項説明書でより分かり易く記載されているものがありましたので、参考までに抜粋してみます。(一部省略しています。またこのファンドでも分別管理は実施されています)

「本匿名組合に係る財産の所有権はすべて営業者に帰属し、匿名組合員たる投資者はこれに関して持分又は所有権その他のいかなる権利も有しておらず、営業者に対して債権を有しているにすぎません。したがって、仮に本事業が順調に推移していたとしても、本事業以外の事業の失敗その他の要因により営業者の財務が破綻した場合、破産法上の破産手続、民事再生法上の再生手続、会社更生法上の更生手続、その他の法的倒産手続においても、投資者は他の一般債務者と同様の地位に立ち、その時点までに分配された現金分を除き、残りの出資の一部又は全部が回収できないおそれがあります。」

かなり明確に記載されています。maneoの重要事項説明書の記載にもありましたが、匿名組合に出資したらその資金は営業者の資産に組み込まれてしまうので、営業者が破綻したら当然出資金に大きな影響を与えることになります。しかも一般債権者と同じ地位ということなので、個人投資家が投資元本を確保することは不可能でしょうし、かなりの確率でほとんど回収できないと思います。

匿名組合を利用するソーシャルレンディングに投資する場合、運営企業の破綻は投資元本の棄損につながる可能性が高いので、運営企業の経営状況というのは非常に重要な投資基準になります。にも関わらず、現状各社が公開している財務諸表は第三者のチェックを受けていないるかどうかの記載がないので、どの程度信用できるか判断がつきません。ぜひ改善を望みたいです。(唯一の例外は監査法人の監査を受けているクラウドバンクです)

しかし、そうすると分別管理はなんのためにあるのでしょうか?