各社への投資状況についてひと通り書きましたので、次はソーシャルレンディング投資のリスクについて考察したいと思います。以下の内容はあくまでも主観ですが、これから投資を検討されている方に少しでも参考になればと思います。また、もし事実誤認があればぜひご指摘ください。

ソーシャルレンディング投資には大きく2つのリスクがあります。

  • ソーシャルレンディング運営企業に関するリスク
  • 個別投資案件・ファンドのリスク

私にとって上記2つのリスクでは「ソーシャルレンディング運営企業に関するリスク」が圧倒的に重要です。私は「大きく稼ぐことよりも大きな損失を出さない」ことを重視していますが、ソーシャルレンディング投資の「大きな損失」が発生するリスクは個別案件の採算割れよりも、運営企業自身があぼーんすることです。

ソーシャルレンディング運営企業に関するリスク

1)詐欺のリスク
いわゆるポンジースキームと呼ばれる「投資の実態が無いのに分配金を出す」行為や、「稼いでいる利益以上の分配金を出す行為」で、その原資には新規の投資家からの出資金が流用されます。MRIインターナショナルのように第二種金融商品取引業と登録していて、現地視察等で投資家の安心を確保するといったやり口だけでなく、AIJ投信のように会計士を抱き込んで虚偽の監査結果を提供するといった手法を取られると外部からその行為を把握することは不可能です。AIJのケースでは、ファンド組成を関連会社で実施しており、関連会社には金融庁の監査が入っていたにも関わらず不正を見抜けず、AIJへの監査を実施して初めて明らかになったとのことです(参考:巨額年金消失。AIJ事件の深き闇」)。私が投資しているソーシャルレンディング各社に関しては投資実態を伴わないような詐欺リスクは低いと考えていますが、実際の儲け以上に分配金を出しうまく運営できているように見せる行為が絶対にないのかどうかは判断できていません。maneoは必ず計画通りに分配金が払われ続けている点が評価されることが多いですが、穿った見方をすると逆に怪しく見えます(実際、maneoは返済遅延案件を保証会社の保証を元に分配を行って、それを投資家に開示していなかったことを証券取引等監視委員会から指摘を受けるという事案がありました)。一方クラウドバンクやAQUSHは配当金にばらつきがみられますがある意味これが正常な形だと感じます。両社はファンドの組成方法が違うので単純には比較できないですが、いずれにしても「貸し倒れなし」「予定通り分配」が延々と続くのは明らかに不自然です。分配と言っても実際に銀行口座に振り込まれるわけではなく、各社にの表示する口座に数字が並んでるだけなのでその気になればやりたいようにやられそうで怖いです。


次回に続きます。