やっと今年2回めの投稿です。しかしもう8月ですか、今年も残り5ヶ月切ってますよ。年々歳月の流れが加速していきます。

仕事が忙しいのを言い訳に 自動投資・自動積立以外の投資はほとんど手をつけれていません。やっぱり自動化されてないと継続は難しいですね。日本のソーシャルレンディング業者も自動投資機能をつけて欲しいなぁ。クラウドバンクとか案件あたり1万円の投資だし投資案件の詳細はみないので、新規募集がかかったら自動的に投資してくれるとうれしいんですけどね。

ちょっと前の話題ですがレンディングクラブの前CEOがUpgrade.comというオンラインレンディングの会社を立ち上げましたね。今回はP2Pではなく機関投資家+オンラインレンディングのようです。しかし新しい会社の場所がレンディングクラブから徒歩8分ですよ。さすがというかなんというか。最近はレンディングクラブの業績や動向も全く追いかけてないので状況は分かりませんが(自動投資が可能なのでレンディングは続けてます)、どこかのタイミングでUpgrade.comとあわせて一度状況を確認してみたいなとも思います。

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コメントでオススメの本があれば紹介して欲しいとリクエストいただきましたので、今回は今年読んだ投資まわりの本についてご紹介できればと思います。といっても年始以降『ヒルビリーエレジー』や『ルポ トランプ王国』といったノンフィクション系の作品を中心に読んでいたこともあり、多少なりとも投資まわりに関係ありそうなのはまだ10冊にも届いていません。その中からこれまで紹介したこのとのある系統を中心にリストしてみます。

◯ナシーム・ニコラス・タレブ『反脆弱性』
反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方
ナシーム・ニコラス・タレブ
ダイヤモンド社
2017-06-22




反脆弱性[下]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方
ナシーム・ニコラス・タレブ
ダイヤモンド社
2017-06-22

米国で2012年に出版されたタレブの作品がやっと翻訳されました。上下巻とも400ページと相当のボリュームですが、従来の作品と同様に難解な内容もうまく表現されていてボリュームを(あまり)感じさせない出来です。ただし今回はこれまでよりも金融・経済色が薄まっており、よりいっそう哲学書のような風合いが強くなっています。直接的に投資に関連する話題は多くないですが、従来以上に多くの示唆に富む作品でいろいろ考えさせられます。これまで正しいと思っていた考え方についても再考を促される内容も多く今後も再読を繰り返す一冊になりそうです。この本読んで「もっと古典作品を読もう」と思い、以前より岩波文庫を読むようになりました。
米国ではそろそろ次の新作が出そうですね。さすがにこの手の作品を英語で読むのは相当過酷なので、次回はもっと早く翻訳して欲しいです。


◯マイケル・ルイス『かくて行動経済学は生まれり』
かくて行動経済学は生まれり
マイケル ルイス
文藝春秋
2017-07-14

『世紀の空売り』『フラッシュボーイズ』と金融ノンフィクション系作品を手がけてきたマイケル・ルイスが、行動経済学の基礎を気付いたダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーを書いた作品です。自分の好きな作家が自分の好きな話題について書いた作品なので、かなり期待して読みました。
が、・・・残念ながら期待に応えるレベルの作品ではありませんでした。
プロスペクト理論やヒューリスティックといった行動経済学の基礎となる理論の説明自体よりも、それが産み出される背景やドラマといったところにより多くの焦点をあてるというのは、エンターテイメント作品なので当然だと思います。後期のダニエルとエイモスの緊張関係やエイモスの逸話といったこれまであまり目にしなかった内容もあるのですが、多くの内容はこれまでに『ファスト&スロー』や『行動経済学の逆襲』といった作品で触れられているものと重複してしまっており、それらを読んでる人には物足りない内容になっています。
『ファスト&スロー』が抜群によく出来すぎていてハードルが上がってるというのもあるのかもしれません。正直、この本読むより『ファスト&スロー』読むほうがオススメです。


◯橘玲『幸福の資本論』


新作が出ると何となく惰性で読んでしまう橘玲作品の最新刊です。「資本論」とついてますが、金融の話ではなく社会・文化論的な内容が主体です。内容的には橘玲公式サイトで毎週月曜にアップされるコラムのまとめみたいな感じなので、それほど新しい発見があるわけではないのですが、リーダビリティが高いのであっという間に読んでしまいます。
本当は、以前のような金融の裏事情的な内容の作品をずーっと待ってるのですがなかなか出ませんね。中国の詐欺まがいのマイナー事情とか絡めたビットコインの動向あたりなんか橘氏が書けば面白い作品になりそうな気がするんですけどね。


◯ダン・ライオンズ『スタートアップ・バブル』

HubSpotという米国のオンラインマーケティングのスタートアップ企業の内幕を書いた作品。ノンフィクションのはずだがまるでエンターテイメント小説のよう。こちらのほうがよっぽどマイケル・ルイス作品ぽいです。
HubSpotって今私が勤めている会社でも使ってるんですけど、内幕はまぁひどいようです。スタートアップには「革新的なテクノロジー」をコアに製品やソリューションを提供するケースと、「革新的なビジネスモデル」をコアにするケースがあると思いますが、HubSpotは後者になります。UberやAirbnbあたりも新しいテクノロジーというより、新しいビジネスモデルといった色合いが強い気がします。これらの「ビジネスモデル型」の企業が競争力を維持するために「若くて」「安い」労働力を使い捨てにしている現実を描いています。ひどいですね。
「テクノロジー型」であればエンジニアリソースが中心になるのでまた違った状況だとは思います。実際今勤めている会社は幸い「テクノロジー型」なので、この作品で触れられている状況には相当違和感を感じました。


◯磯崎哲也『起業のファイナンス』
起業のファイナンス増補改訂版
磯崎 哲也
日本実業出版社
2015-01-16


今回唯一今年出版されたものでない作品で、2010年が初版で、2015年に出た改訂版になります。
今年に入ってから仕事関係でVCの方と接触する機会が増えていて、今後協働するようなスキームを考えたりしています。その一環で、VC関係の書籍もいくつか目を通しているのですが、その中でもっとも面白く参考になったのが本書です。
もともと起業家が資金調達を行う際に知っておくべきファイナンスの知識をまとめたないようなのですが、ストックオプションや優先株式といった株式投資やベンチャー投資に興味がある人にも参考になる内容が多いと思います。会計の専門知識がなくてもそれなりに読めるように書かれていて、何といっても書きっぷりが面白いです。
起業を目指す人には有名な作品ですが、起業を目指さない人でも広くベンチャーに興味がある人にはオススメです。

◯ジョン・ケイ『金融に未来はあるか』<未読>

これはまだ読んでません。帯に「タレブ絶賛」とあるのに惹かれてつい購入してしまいました。面白かったら改めてご紹介したいと思います。


まだまだ暑い日が続きますが、体調を崩されませんようご自愛ください。